記事は、日本の食文化を語る上で弁当に触れないわけにはいかないとし、多くの外国人が弁当を日本を代表する食文化の一つと認識し、初めて日本を訪れた人は店に並ぶ色鮮やかな弁当の数々に驚きを示すと紹介。日本の弁当文化は1000年以上前に貴族が花や紅葉を鑑賞するために持参した「ほしいい」などの携帯食に起源を発し、室町時代ごろには今の弁当箱につながる「提重」が用いられるようになったとした。また、江戸時代には歌舞伎を鑑賞をする際に、幕間に弁当が提供されるようになり、「幕の内弁当」という言葉が生まれて現在もなお広く用いられていることを伝えた。
そして、近現代に日本が西洋文化を積極的に吸収し、東西文化の交流が深まるに伴って日本人の食文化に大きな変化が生じると、弁当の中身や形態も多種多様となり、特に近年では「アート弁当」など、単なる飲食文化という枠を超えた新たな「弁当文化」へと進化しつつあると説明。日本人は弁当を作る際に、味はもちろんのこと、視覚的な部分も大切にしており、弁当を作る前に「どんな色を組み合わせるか、どういう切り口にするか、どう盛り付けるか」などを考えるとしたほか、おかずごとにしっかりと仕切りを施すことによりおかずどうしが混ざっておいしさが損なわれないよう配慮するとも紹介している。
さらに「最も印象深いのは駅弁だ」とし、日本では地域や季節ごとに実に多種多様な駅弁が存在すると指摘。食材や調理に油をたくさん使わないなど、駅弁は冷めても十分美味しく食べられるような工夫が凝らされており、駅弁を食べることが列車移動の大きな楽しみだと紹介した。一方で、中国の高速鉄道では弁当はあまり買われないとし、価格は日本の弁当と大して変わらないにもかかわらず「適当に作っている」感じが否めないこと、油っぽいおかずが比較的多いことなどを理由に挙げた。
見た目に美しい、凝った弁当が日本でしばしば注目を浴び、世界に向けても「日本の弁当文化」として発信される。確かに、食べ物の味だけではなく見た目も大切にするというのは日本の食文化における大きな要素の一つではあるのだが、その一方で多くの日本人が日常的に親しんでいる弁当の大半は、ビジュアルを特に気にしない「茶色い弁当」なのである。「茶色い弁当」まで含めてこそ、日本が誇る「弁当文化」なのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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