視覚障害のある人にとって、個室トイレの数あるボタンの中から、洗浄ボタンを探すのは一苦労。「(洗浄ボタンなどの)位置が統一されることを願う」とツイッターでつぶやいた全盲の女性の投稿には、多くの反響がありました。反響の中には、トイレの壁面に何をどのように配置すべきかを定めたJIS規格があるという情報も。規格はあるけど、普及はまだまだということ?――。トイレ設計を多く手がける設計事務所に聞きました。(withnews編集部・金澤ひかり) 【画像】公共施設の個室トイレ、ボタンや手すりの位置はどうなってる? 気付かなかったバラバラの配置
男性用女性用「どちらに行くか決めるのがまず大変」
話題になったツイートは、17年前、30歳で視覚障害者となった浅井純子さんによるもの。 《トイレを流す際、センサー式ってありますよね?でも,センサーの場所が分からないのです。どこ?どこ?どこ?とトイレに座りながら左右のセンサーを探しまわる全盲の私。最近は、潮干狩りのアサリを探す気分で壁をタッチしています(笑)センサーの位置が統一されることを願い、今日もセンサーを探します!!》 視覚障害のある方にとって、洗浄ボタン(センサー)の位置がわかりにくいという現状を、トイレを設計をする側はどう考えているのでしょうか。 トイレの設計を多く手がける設計事務所「ゴンドラ」の代表、小林純子さんに聞きました。 ◇ ――視覚障害のある方にとって「洗浄ボタンの位置がバラバラでわかりにくい」という声があることはご存じでしょうか。 以前視覚障害者の方と話し合いながら、盛岡の駅ビルのトイレを作ったことがあります。そのときに感じたのは、視覚障害の方にとっては、二手に分かれた男性トイレと女性トイレのどちら側に行くのかを決めるのがまず大変ということです。 その声を受けて、そこでは触地図をつけ、男性用と女性用がそれぞれどちらにあるかわかるようにしました。 ――個室に入ってからはどうでしょうか。 鍵も色々と形状がありますが、それはこれまでの感覚で位置や開閉の方向を想像することができそうだというのがわかりました。便器の位置も、白杖があればわかります。 ただ、洗浄ボタンの位置などは種類が多くわかりにくいということは、そこでも話題になりました。 ボタンではなく、センサー式の場合はさらにわかりません。 話し合いの結果、このトイレでは、シンプルな押しボタン方式を採用しました。
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