Saturday, January 23, 2021

やぶさかではないの意味とは? 正しい使い方や類語を紹介 - マイナビニュース

「やぶさかではない」という言葉をご存じでしょうか。日本の古い時代の言葉ということもあり、普段あまり使用しない印象があるため、詳しい意味までは知らないという人も多いでしょう。本記事では、「やぶさかではない」という言葉の意味や使い方を紹介します。

「やぶさかではない」の意味と特徴

「やぶさかではない」は、漢字で「吝かではない」と表記します。「吝」という字には「ケチである」「物惜しみする」という意味があります。この「やぶさか」に、否定である「ない」が足されている「やぶさかではない」は、ケチや惜しむ意味を否定する言葉だと理解できるでしょう。

そのため、「やぶさかではない」とは「快く○○する」「一生懸命○○に取り組む」「積極的に○○する」「その事柄に対して反対意見はない」などの意味を表す言葉となっています。

ストレートに喜ぶというより感情を抑えた言葉であり、目上の人にも使える前向きな表現です。

「やぶさかではない」の特徴

■感情を抑えられる

「やぶさかではない」は、ストレートな感情を抑えた表現のため、慎ましい態度を取りたい場面で選ばれる言葉です。曖昧さを残した日本独特の表現と言えるでしょう。

例えば、

「彼が高く評価されることにやぶさかではありません」

「となりの部署と合流するのにやぶさかではない」

など、相手を尊重して喜んで引き受ける意志を伝える際に用いられます。

■目上の人にも問題なく使える

「やぶさかではない」は、聞き慣れない人にとっては難しく聞こえる言葉でしょう。しかし快く物事を行う表現になるため、上から目線の言葉ではありません。従って、目上の人にも問題なく使うことが可能です。

例えば、

「案件を増やす話について、先方もやぶさかではないようでした」

「お引き受けするのはやぶさかではありません」

など、仕事上の上司に対しても問題なく使用できます。

■前向きな表現として使う

「やぶさかではない」には「快く○○する」という意味があるため、前向きな表現として使用します。目上の人だけではなく、対等な立場や部下、後輩に対しても使うことが可能です。

例えば、

「そのチームに参加することはやぶさかでない」

「地域のボランティアに関して、協力することはやぶさかではありません」

など、喜んで参加・協力しますという意味になります。

「やぶさかではない」と「まんざらでもない」の違い

「まんざらでもない」は、「必ずしもダメというわけではない」「嫌ではない」「好感が持てる」などの意味を持つ言葉です。「やぶさかではない」のように、積極的に喜んで○○するという意味ではないため、注意が必要でしょう。

例えば、「A君のことはまんざらでもない」は、A君のことは嫌ではない(実は好感を持っている)という意味になります。「やぶさかでなはい」を「まんざらでもない」と勘違いする人が多いため、違いを覚えておきましょう。

「やぶさかではない」の語源とは

「やぶさかではない」の語源は平安時代に使用された、「やふさし」や「やふさがる」という言葉から来ていると考えられています。「やふさし」はケチ、「やふさがる」は「物惜しむ」という意味があります。

鎌倉時代以降「やふさか」「やっさか」などの変遷を重ね、最終的に「やぶさか」という形で残ったと言われています。

「やぶさかではない」の類語とは

正しい意味を知っていれば、「やぶさかではない」は使い勝手のよい言葉でしょう。しかし、一つの言葉を使い続けると語彙の少なさを感じられたりする可能性があります。

「やぶさかではない」の類語を知り、文脈や言葉のつながりを考慮して適宜使い分けましょう。

■喜んでする

「喜んでする」は、行為を惜しまない様子や、嬉しい気持ちを含む言葉です。「やぶさかではない」には「喜んで○○する」という意味があるため類語になります。

例えば、「私は読書が好きなので図書委員を喜んでする」「貴方が元気になることなら何でも喜んでするよ」などの使い方があります。

■異存はない

「異存はない」は、異なった考えはなく賛成または同意するという意味の言葉です。「やぶさかではない」には「その事柄に対して反対意見はない」という意味があるため、「異存はない」も類語に当たります。

例えば、「私がこの地を去ることに異存はない」「異存はないが、もう一度この件については考え直してみてほしい」などの使い方があります。

■快諾する

「快諾する」とは、相手の申し出に対して気持ちよく聞き入れることを意味する言葉です。「やぶさかではない」には「喜んで○○する」という意味があるため、類語になります。

例えば、「明日、どうしても顔を出してほしいと言うので快諾した」などの使い方があります。

「やぶさかではない」の英語表現とは

「やぶさかではない」は、○○することを好むという意味の「I like to do」や、ぜひ○○したいという意味の「I would love to do」が使われます。

使い方としては、「I like to take your invitation happily.(招待を受けるのはやぶさかではない)」、「I would love to join the project.(計画に参加することはやぶさかではない)」などがあります。

「やぶさかではない」の対義語とは

「やぶさかではない」の対義語として、同意しないことを意味する「反対する」や、やむなく認めようとする様子の「不本意ながら」が挙げられます。

「やぶさかではない」には、賛成の意味や快く引き受ける意味が含まれているため、ある事柄に対して逆らうような表現が対義語に当たります。

使い方としては、「付き合いが深い同僚の希望ではあるものの、納得できないため反対する」「人員に余裕がないため、誠に不本意ながらこのプロジェクトからは撤退いたします」などがあります。

「やぶさかではない」の意味を正しく理解しよう

「やぶさかではない」は「快く○○する」「積極的に○○する」などの意味がある肯定的な言葉です。

しかし、実際には否定的な意味と間違えて使用している方も多く、本来の意味で伝わりにくい言葉でもあります。

また、難しい印象もありますが、仕事のやり取りなどでは時折耳にする場合があります。自分が「やぶさかではない」を使う際は、使い方を間違わないよう意味を正しく理解しましょう。

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