政府は、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に強く反発する中国への対応に苦慮している。日本産水産物を全面禁輸した中国側に冷静な対応を呼びかけているが、市民による嫌がらせ電話など、反日的な行動が続く。与党からは強い姿勢で対応するよう求める声も出ている。
岸田文雄首相(自民党総裁)は29日の党役員会で「科学的根拠に基づき、専門家同士が議論を行うよう中国政府に働きかけ続ける」と強調。今週中に発表する水産事業者の支援策を念頭に「万全の対応を取る」と説明した。
だが、嫌がらせ電話のほか、ネット上では日本製品の不買を呼びかける投稿も目立つなど、中国国内での行動は激化。2012年に政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化した際、反日デモが中国全土で広がったような事態にエスカレートしかねないとの懸念も強い。
自民党幹部からは29日、政府への注文が相次いだ。茂木敏充幹事長は「不当な対応をやめるよう強く求めてもらいたい」と指摘。世耕弘成参院幹事長も会見で「最大限強い対応を行ってほしい。
今月末の訪中が延期になった公明党の山口那津男代表は29日の会見で「説明や対話によって両国の認識の開きを埋めていくことが、いたずらな争いの拡大を防ぐことにつながる」と述べ、問題解決に向けた政府の積極的な取り組みを求めた。(近藤統義)
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