Friday, August 18, 2023

マスク氏、「X」(旧ツイッター)からブロック機能を外すと 利用者から懸念の声 - BBCニュース

A hand holding a phone with the X logo

画像提供, ETIENNE LAURENT/EPA-EFE/REX/Shutterstock

ソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)を所有する米資産家イーロン・マスク氏は18日、ブロック機能を削除するつもりだと明らかにした。多くの利用者はこれについて、いやがらせや中傷などを書き込んでくる相手を非表示にできなくなり、自分に悪意を持つ人間が自分の投稿内容を閲覧できるようになるなどと、懸念を表明している。

マスク氏は、ブロック機能は「意味をなさない」と書いた。ただし、ダイレクトメッセージを勝手に送ってくる相手はブロックできるようにするとも述べた。

マスク氏は昨年10月にツイッター社を買収して以来、「ツイッター」という名称をはじめ、さまざまな仕様変更を繰り返している。

現在は利用者が他のアカウントを「ブロック」すると、そのアカウントの投稿内容はブロックした側の「タイムライン」に表示されなくなる。ブロックされた側は、ブロックした側の投稿内容を見られなくなり、その相手にコメントもできなくなる。

この機能がなくなると、嫌がらせや中傷、差別発言などを書き込んでくる相手の投稿を非表示にできなくなり、かつその相手はいつまでも自分のアカウントを閲覧できてしまうと、多くの利用者が懸念している。

ブロック機能をなくすと書いたマスク氏の投稿に対して、ツイッターの共同創業者ジャック・ドーシー氏が「100%。ミュートだけ」と賛同しているように見えるコメントを付けた。ドーシー氏は現在、別のソーシャルメディア「Bluesky」を支援している。

しかし、見たくない相手のアカウントを「ミュート」、つまり非表示にするだけでは、いやがらせやストーキングなどの加害行為から利用者を十分守ることにはならないと懸念されている。自分が見たくないアカウントをミュートしても、ミュートされた側は相手の投稿内容を閲覧できるし、コメントもつけられる。

ただし利用者は、自分のアカウントに「鍵をかける」、つまり限定公開にすることができる。この場合、閲覧を認めた利用者だけが自分の投稿を見られる。ただし、「鍵をかける」前からのフォロワーも引き続き投稿内容がみられる。

実際にブロック機能が削除された場合、すでにブロック済みのアカウントがすべてブロックが外れた状態になるのかは、明らかになっていない。

利用者の一人は今回のマスク氏の発表を「ひどい間違い」と呼び、「X」の利用者の中にはまったくかかわりたくない「悪質な人間」がいるのだと書いた。

ブロック機能を削除した場合、アップル社のアップストアやグーグル社のグーグル・プレイの規約に違反する可能性がある。

アップストアは、「ユーザー生成コンテンツやソーシャルネットワーキングサービスを含む」アプリは「不適切な言動を行うユーザーをブロックする機能」を備えている必要があると明記している。同様に、グーグル・プレイは「ユーザー生成コンテンツ(UGC)が含まれるアプリやUGCを提供するアプリ」は、「不適切なUGCやユーザーについて報告するためのアプリ内システムを提供し、報告されたUGCやユーザーに対して適切な措置を講じる」ほか、「UGCやユーザーをブロックするためのアプリ内システムを提供」しなくてはならないと定めている。

ブロック機能を削除した「X」が両社の規約に違反したとみなされた場合は、「X」のアプリを両社のアプリストアからダウンロードできなくなる可能性がある。

2px presentational grey line

分析――ゾーイー・クラインマン、BBCテクノロジー担当編集長

イーロン・マスク氏は「X」にたくさん投稿する熱心な利用者で、1億5300万人のフォロワーに対して投げかけるアイディアについて、必ずしも本気とは限らないし、実行に移すとも限らない。そのことはよく知られている。

「X」社は記者の取材にほとんど答えないため、「X」に関するマスク氏の発言内容を会社に確認することも難しい。しかし、マスク氏は「X」のオーナーなので、自動的に、信用はできないながらも重要な情報源なのだ。

「ブロック」ボタンは、攻撃された、あるいは嫌がらせを受けたと感じた場合に有用な、定番の道具だ。激しく意見が対立した相手(そういう人は「X」に大勢いる)の投稿が目に入らないようにするためにも、「ブロック」は有用な機能だ。

問題のある投稿を繰り返していると思うアカウントを通報すると、運営側が問題を調査する間、そのアカウントをブロックかミュートするようまずは勧められる。これは、「X」に限られた対応ではない。

あなたが何かアカウントをミュートした場合、あなたからはそのアカウントが見えなくなるが、そのアカウントは引き続きあなたの投稿を見ることができる。そして、避けたいと思っている相手、あるいは怖いと思っている相手に対して、自分は見える状態のままでいなくてはならないと、それを強制する措置というのは、異例のことに思える。

マスク氏はこれまで、自分の「デジタル版・町の広場」ではあらゆる声に表現の機会を与えるつもりだと、その方針を明示してきた。しかし、利用者をオンラインでの加害から守るよう求める、ソーシャルメディアに対する規制や、2つのアプリ・ストアの規約に抵触する可能性がある。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( マスク氏、「X」(旧ツイッター)からブロック機能を外すと 利用者から懸念の声 - BBCニュース )
https://ift.tt/DVH1ugE
Share:

0 Comments:

Post a Comment