HGVは、弾道ミサイルと変わらない推力で発射され、そのまま飛翔させれば宇宙空間に飛び出し弾道ミサイルとなる飛翔体です。ただしHGVには小型翼がついており、宇宙空間に飛び出す前に空力操舵を行うことで、極薄の高層大気中を滑空飛翔するミサイルとなります。 滑空と聞くと、それによって飛距離を伸ばすイメージを持つかと思いますが、HGVは、宇宙空間よりも低空と呼べる高層大気中に留まることで探知を遅らせるとともに、機動(旋回)することで迎撃を困難にしたミサイルです。 HGVは高層大気中を飛翔するため、宇宙空間での迎撃を前提としてつくられたSM-3の迎撃体「KEI」(Kinetic Energy Interceptor)では迎撃ができません。そのため、動画ではイージス駆逐艦に搭載した2種のミサイルで迎撃するとしています。 その1つは、HGVが滑空飛翔中に迎撃するための、「GPI」(Glide Phase Intersepter)と呼ばれるミサイルです。特徴としては、高層大気中での機動性能を持つことは当然ですが、発射した駆逐艦とは別の艦艇や衛星データによっても誘導が可能です。これにより、高層大気中を飛翔するとはいえ、イージス艦からは水平線下で接近するHGVにも対処できるようになっています。 もう1つのミサイルは、イージス艦用の汎用対空ミサイルとして配備も開始されている「SM-6」です。ミサイル防衛局は、HGVが目標に突入する直前の終末段階での迎撃を担当する、としています。 こうした動画の作成は、結構面倒なものです。効果や特徴を分かりやすくしなければならない反面、秘匿しなければならない情報もあります。ミサイル防衛局がここまでのコンセプト動画を出してくるということは、空母機動部隊を、今後も地域的な安全保障の中核とする決意の表れと言えるでしょう。それはつまり「アメリカが、台湾有事や東、南シナ海で中国の脅威にさらされる同盟国を重視している」とのメッセージだと受け取ることもできます。 ■ 重要性が高まる在日米軍基地 この動画では、衛星やイージスの他に、必要なアセットとして地上の2つの施設が紹介されています。
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