Image by: dunhill
「ダンヒル(dunhill)」が2022年春夏コレクションをデジタル上で発表した。テーマは「IDENTITIES」。
— ADの後に記事が続きます —
クリエイティブ ディレクターのマーク・ウェストン(Mark Weston)は今回のコレクションで、英国らしさ、マスキュリニティ、ユニフォームといった「アイデンティティ」に着目。「英国とダンヒルにおける、個人のスタイルとアイデンティティの特異な組み合わせ。それら再定義することで、性格と衣服がどのように調和するか」ということを試み、そのプロセスにおける「スタイルとアイデンディティ」や「実用性と贅沢さ」といったと異なる二極の概念の衝突を表現したという。
ユニフォーム×テーラージャケットの思いがけない出会い
冒頭に登場するのは、作業員の視認性を高めるために設計されたワーキングジャケットの一種であるハイビスジャケットを彷彿とさせるベスト。ダンヒルを象徴するナイロンの代替素材であるシルクファイユにイエローのテーピングが施されたオーバーサイズのベストは、肩をすっぽり覆う独特なシルエットを生み出している。
職業と強く結びつき、作業に伴う機能性に特化したユニフォームは、「個性」という概念とは対極にある。しかしフォーマルなテーラードジャケットにハイビスジャケットを重ねるなど、自由な組み合わせによって個が立つ「スタイル」に昇華する。腕をまくって崩して着たり、キャップと合わせたりと、リラックスした遊び心も見て取れた。
マルチなコンペンディウムが進化
2021年秋冬シーズンに登場したマルチウェイで着られるアウター「コンペンディウム」は今シーズンも登場。ウェストンが、ダンヒルのアーカイブにある男性用コンパクトからインスピレーションを得てデザインされたアウターが進化し、新作を加えて発表された。コートはジッパーで分離するとジャケット丈になり、ライニングは取り外せば単体でも着ることが可能。初のトレンチはベンタイルコットンや超軽量ナイロンといった複数の素材を用いるなど、先シーズンと比べてバリエーションが拡大した。
色彩を与えるグラフィックワーク
コレクションの中でも一際目を引くグラフィックプリントは、フォトグラフィックアーティストのエレン・キャリー(Ellen Carey)とのコラボレーションによるもの。これまでもウェストンは、日本人アーティストKenta Cobayashiとのコラボレーションをはじめ、先シーズンもジャカード織りの生地を裏返したフローラルデザインをプリントしたピースを取り入れるなど、グラフィックモチーフでコレクションに彩りを添えてきた。フォトグラムの強度や色彩などの視覚的ボリュームを上げることによって偶発的に生まれたキャリーの抽象的な作品は、ダブルボンデッドの光沢のあるダッチェスサテンにプリントされ、カヌートップスやハット、バッグに採用されている。
ロックバッグやリボン...多様なキャラクターが際立つスタイル
スタイリングは先シーズンに続き、プレイフルで多彩。ボディバッグやベルトバッグとして取り入れられた「ロックバッグ」、カマーバンドからインスピレーションを得た「カマーバンドバッグ」、カラーバリエーションが増えたブランドのロゴキャップの小物はスタイリングにシティ感をプラスする。ウェストンのデビューコレクションから続くサイドスリット入りフルレングスのテーラードパンツに合わせることで、現在のダンヒルらしい、モダンでリラックスしたクラシックスタイルを印象付ける。
また、ボタンダウンや透かし編み、パステルカラーのカーディガン使いや、タイを結んだリボンのディテールは、マスキュリニティのシルエットやアイテムの中にフェミニンなムードを放つ。今シーズンのテーマである(複数形の)「IDENTITIES」にならって、多様なキャラクターを浮かび上がらせた。
記事のタグ
最新の関連記事
最新の求人情報
からの記事と詳細 ( 英国らしさ、マスキュリニティ、ユニフォーム......「ダンヒル」が示す現代のアイデンティティ - Fashionsnap.com )
https://ift.tt/3hbFdXX
0 Comments:
Post a Comment