Sunday, June 27, 2021

タリバン アフガニスタンで攻勢強める 撤退進める米に揺さぶり - NHK NEWS WEB

アフガニスタンではアメリカ軍が撤退を進める中、反政府武装勢力タリバンが各地で攻勢を強めて支配地域を拡大させています。
タリバンの幹部はNHKとのインタビューで、去年結んだ和平合意の履行をアメリカに求め続けていると強調し、ことし9月までに完全に軍を撤退させるとしているアメリカに対して揺さぶりをかけています。

アフガニスタンでは2020年2月にアメリカと反政府武装勢力タリバンが結んだ和平合意に基づき、現地に駐留するアメリカ軍がことし5月から本格的に撤退を進めています。

和平合意を受けてタリバンはアフガニスタン政府との間で去年9月から停戦協議を行っていますが、戦闘はその後も続いていて、最近では北部の要衝クンドゥズなどで大規模な攻撃をしかけて支配地域を拡大させています。

こうした中、タリバンの幹部の1人、スハイル・シャヒーン氏が27日までにNHKの単独インタビューに応じました。

シャヒーン氏はアメリカ側の複数の関係者と水面下で接触を続けているとしたうえで「和平合意では、アフガニスタン政府との停戦協議の開始から3か月以内にアメリカが戦闘員の解放や幹部への国連の制裁解除に向け取り組むことになっていた」と述べて、アメリカに合意の履行を求め続けていると強調しました。

アメリカのバイデン政権はことし9月までに軍を完全撤退させた後も治安の安定と和平の実現に向けて支援を続けるとしていますが、勢力を拡大させているタリバンとしてはアメリカに対して揺さぶりをかけた形です。

アフガニスタン政府とタリバン 停戦条件などで対立

アメリカとタリバンの和平合意を受けて、アフガニスタン政府とタリバンは去年9月から停戦に向けた協議をカタールのドーハで断続的に行ってきました。

しかし、速やかな停戦を求めるアフガニスタン政府に対して、タリバンはイスラム法に基づく国の統治を目指すことが先決だとするなど、停戦の条件や政治体制の在り方をめぐって対立し、協議は難航しています。

こうした中でもアフガニスタン各地では政府とタリバンの戦闘が続いているほか、過激派組織IS=イスラミックステートなどによるテロが相次いでいて、国連によりますと、ことし3月までの半年間に亡くなった民間人は1467人と、去年の同じ時期と比べて177人増えました。

タリバンの幹部はNHKの取材に対して「イスラム法に基づいた統治の在り方を最優先に協議を進めたが、政府が取り合わない」として政府側の対応を非難する一方、アフガニスタン政府の関係者は「タリバンが主張するイスラム教の原理主義的な考え方が交渉の妨げになっている」と話していて、協議の先行きは不透明な情勢です。

米有力紙「“米軍撤退から半年で政府崩壊も” 米情報機関分析」

タリバンが支配地域を拡大していることに関連して、アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日「アメリカ軍の撤退から早ければ半年でアフガニスタン政府が崩壊する可能性があるとアメリカの情報機関が分析した」と伝えました。

アメリカの情報機関の複数の関係者の話として、アフガニスタン政府はアメリカ軍の撤退から2年程度は存続すると予測していたものの、タリバンの急速な勢力拡大を受けて分析を見直した可能性があると報じています。

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