卓越した技能者を厚生労働相が表彰する本年度の「現代の名工」に、県関係者四人が選ばれた。このうち叙勲の勲章などを手掛ける造幣局さいたま支局の柴田智之さん(58)=さいたま市大宮区=に、仕事への思いを聞いた。(飯田樹与)
勲章や記章などを制作する造幣局の装金部門一筋約四十年。さいたま支局では初めて現代の名工に選ばれた。「夢の中にいるみたい。職場の代表として受賞させてもらった」。顔をほころばせ、同僚らへの感謝の言葉を口にした。
手作業が大好きで、東京都立工芸高校の金属工芸科に入学。天皇陛下から功績者に贈られる勲章を手作りする姿にあこがれて造幣局に就職した。真っすぐにやすりをかけるような単純そうな作業ほど難しく、先輩の職人に早く近づこうと研さんを積んできた。
造幣局では年間三万個の勲章を製造していて、さいたま支局では約三千個を手掛ける。現場トップの柴田さんは、七宝の焼き付け作業でできる薄い膜や汚れ、小さな傷を取り除いたり、パーツを組み立てたりする仕上げの工程を担当。完成品の精度に目を光らせる。高い技能に加え、若手・中堅職人の育成にも力を入れている点も評価された。
「勲章はただの品物ではなく、功績を上げた方々に贈られる特別な物だという意義を後輩たちに伝え、誇りを持ってもらいたい」
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現代の名工に選ばれた他の県関係者は次の皆さん。(敬称略)
川口浩二(55)=配電盤・制御盤組立・調整工、東京都足立区▽栗原恒明(67)=かわらふき工、秩父市▽小畑忠義(79)=建築塗装工、伊奈町
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