日本大学の田中英壽理事長が、大阪の医療法人の前理事長などから受け取ったリベートなどを、税務申告せず脱税した疑いで逮捕された事件で、所得隠しの総額は１億数千万円に上り、リベートの一部は大阪から東京まで現金で運ばれた疑いがあることが、関係者への取材で分かりました。
特捜部の調べに対し田中理事長は容疑を否認しているということです。
日本大学の理事長の田中英壽容疑者（７４）は、背任事件で起訴された大阪市に本部がある医療法人の前理事長、籔本雅巳被告（６１）と日本大学の理事だった井ノ口忠男被告（６４）から受け取ったリベートなどの収入を税務申告せず、平成３０年と去年、合わせて５３００万円を脱税したとして所得税法違反の疑いで２９日、東京地検特捜部に逮捕されました。
籔本前理事長と井ノ口元理事は、調べに対して「田中理事長側に複数回に渡って多額の現金を提供した」と供述していることが分かっていますが、田中理事長がリベートなどとして受け取り、税務申告しなかったとされる所得の総額は、２年間で合わせて１億数千万円に上ることが関係者への取材で新たに分かりました。
また籔本前理事長はリベートを提供する際、あらかじめ部下にＬＩＮＥで指示し、金融機関で現金を引き出させた上で、大阪から東京まで運ぶなどしていた疑いがあるということです。
特捜部は田中理事長をめぐる不透明な資金の流れについてさらに解明を進めるものとみられます。
関係者によりますと田中理事長は、特捜部の調べに対して、容疑を否認しているということです。
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