- 【ケース3】悩み
- 60歳でリタイアするつもりだったが、在職しながらもらえる年金が多くなると聞いた。どんなふうに考えればいいか。
- こうアドバイス!
- 働き方を抑えていた人が改正で満額受給できる場合も
現時点で働いている方の中には、年金の受給開始時期について「このまま勤め続けると年金が減ったり止められたりするようだから、いっそリタイアして年金を全額受け取るほうがよいのでは?」と考える人も少なくない。
勤め続けることで受け取る年金額が減るかどうかは、特別支給の老齢厚生年金額(以下、特老厚)と給与やボーナスのバランスによって決まる。
例えば、特老厚が今年始まる昭和33年生まれの63歳男性Aさんは、受給開始後も働き続けた場合の給与が35万円(ボーナスなし)、年金額は月10万円。
この場合の年金停止額は、(給与等(給与+過去1年のボーナスを1ヵ月分に換算して加えた額)35万円+年金月額10万円-28万円)÷2=停止額8・5万円/月。もらえる年金額は、年金月額10万円-停止額8・5万円で月額1・5万円だ。
一部年金を受け取れるとはいえ、月8・5万円減はもったいない。Aさんが年金を全額受け取るためには、働き方を抑えて給与を35万円から18万円に下げるか退職するかだ。給与を下げると給与収入が204万円減る代わりに、年金を120万円全額受け取れる。退職した場合は、420万円の給与収入がなくなる。いずれも老齢期の生活設計をタイトにする必要が出てくる可能性が高いだろう。
国から受け取れる額を重視するあまり、世帯収入を下げるような結果がAさんにとって正解かどうかはヒアリングして要確認だ。
Aさんと同じ給与等でも、年金月額が4万円であれば受け取れる年金は0円と全額止まってしまう(これをBさんとする)。
Bさんの場合、(給与等35万円+年金月額4万円-28万円)÷2=停止額5・5万円/月。年金月額4万円-停止額5・5万円で、年金額0円となるわけだ。
このような事例は、近年需要が急増している介護職の女性などに見受けられる。結婚退職したため若い頃の会社員歴は短く、親の介護をきっかけに中高齢以降に介護職として再就職し経験を積んだような場合、特老厚の額が少なく、60歳以後の給与は高いケースなどだ。これで全額停止は切ない。
しかし令和4年4月以降は在職老齢年金制度が変わり、計算式の「28万円」が「47万円」になるため、前述したどちらのケースも年金の停止が解除され、年金を全額受け取れることになる。
Aさんの場合、停止されていた8・5万円/月が全額受け取れるため、年収としては102万円も増加する。Bさんの場合は、年金額は少額ではあるが、全額受給できるため年収48万円増となる。
つまり、従来は年金を全額受給するために働き方を抑えて給与を下げていた人も、無理がなければもう少し働くことで給与を上げることも考えられるということだ。
メリットを享受できる世代は女性が多く、男性は限定的
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