Friday, October 22, 2021

SBIのTOBに対し新生銀社長「異業種の方が面白い」…「資産運用など重複分野がある」 - 読売新聞オンライン

 新生銀行の工藤英之社長(58)が22日、読売新聞のインタビューに応じた。SBIホールディングスが新生銀に対して実施している株式公開買い付け(TOB)について、「大きなシナジー(相乗効果)は期待しづらい。違う顧客基盤を持つ異業種の方が面白い」と語った。

 工藤社長はインタビューで、他社との資本提携による企業価値の向上策について「考える時期に来ている」と述べた。SBIは「(提携する相手)候補の一つ」としつつも、資産運用など重複分野があるとの認識を示し、金融業よりも異業種との関係強化の方が望ましいとの考えをにじませた。

 SBIは9月10日から12月8日までの日程でTOBを実施している。新生銀の株式を、TOB発表前の水準よりも約4割高い1株2000円で買い付ける。議決権ベースでの保有比率を、現在の約20%から最大で48%まで高める計画だ。

 これに対し新生銀は「現在の条件なら反対」との意見を表明。理由として、〈1〉買い付け数の上限が設定されている〈2〉価格が安い――の2点を挙げた。

 工藤社長は買い付け価格について「入っていない情報がある。持っている事業計画から逆算した内在的な価値もある。2000円は安い」と主張した。一方で、条件次第では「2000円ではダメというわけではない」とも述べた。

 新生銀に残る約3500億円の公的資金返済への道筋については「株価を上げる程度のことなので、可能。道筋は見えている。資本をきちんと使って利益を上げていく。その延長線上に返済がある」と述べた。

 工藤氏は2015年から社長の座にあるが、その間、新生銀の株価は低空飛行を続けてきた。SBIによるTOBが公表される前、1300~1500円程度で推移していた。国民負担が発生しない形での返済に必要な「7450円」まで独力で押し上げるのは、極めて難しいのが実情だ。

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