[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は欧州議会に対して、交流サイト最大手の米フェイスブックが主導する「ディエム」などのデジタル通貨「ステーブルコイン」を巡り、導入への拒否権と監督権の拡大を求めると主張した。
世界の中央銀行は、一つ以上の法定通貨を裏付けとしたステーブルコインを中心に、暗号資産(仮想通貨)の台頭を不安視している。決済や銀行の取引、最終的には資金の供給量への統制を脅かすことを懸念している。
欧州連合(EU)は昨年9月、ストレステストや資本・流動性の要件などを含む暗号資産に関する包括的な規制を作る計画を公表。フェイスブックに対し、導入の前に要件を満たすよう求めた。
ECBは、EUの規制案について2月19日付で法律上の見解を公表。物価や決済の安全性を脅かさずにユーロ圏でステーブルコインを導入できるかどうかについて、ECBが最終決定権を持つべきだと述べた。ステーブルコイン発行を審査する各国当局に対して、ECBの意見が拘束力を持つようにEUの規制案を変更すべきだとの意見も述べた。
ECBは、ステーブルコインの発行体が、大規模な顧客流出に耐えられるように十分な手元資金を備えるなどマネーマーケットファンドと同様の「厳しい流動性要件」を満たすべきだと述べた。
ECBは、EUの民間デジタル通貨規制の対象外となる自身のデジタル通貨に取り組んでおり、4年以内に導入したい意向だ。
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