ディフェンダーにそっくり?
英国の大手化学製品メーカー、イネオスが送り出す本格オフローダー「イネオス・グレナディア」。
【画像】新旧ディフェンダー グレナディアと似ている?【写真で比較】 全91枚
イネオスの創業者であるジム・ラトクリフは、旧型ディフェンダーの愛好家であったが、2016年の生産終了を受けて、自分で代わりのクルマを作ることを決意。
本プロジェクトのデザインリーダーに任命されたトビー・エクイエに、完成した「イネオス・グレナディア」について、質問をぶつけた。
ーーランドローバー・ディフェンダーとの類似性について、人々はどう思うでしょうか?
「私たちがコレクションしてきたクルマをベンチマークにすることは、とても魅力的でした。私が学んだことの1つは、クルマの間にはほとんど違いがないということです」
「つまり、一部を少し変えるだけで、全く違うものに見えるようになります。例えば、ヘッドライトを少しずらすだけで、フォード・ブロンコのようになります」
カーデザイナーではなかった
ーーグレナディアの“狙い”はどのように定義したのですか?
「達成したい品質のリストを作りました。すなわち、安心感、堅牢性、誠実、信頼性、目的意識です」
「それをチェックリストのように使いました。何かを決めるときには必ずリストに目を通し、条件を満たしているかどうかを確認していました」
「実車では、こうした目的を皆さんに認識してもらいたいと思っています」
ーークルマのデザイナーではないのですね。
「ええ、少なくとも今までは。ダービーシャー州の農場でトラクターとランドローバーに囲まれて育ちましたが、クルマには興味がありました」
「9歳の時、オースティン・ローバーにクルマのスケッチを描いて送ったんです。彼らは丁寧に返事をくれました」
「“スケッチはひどいものだったが、社内にはデザイン部門があるので、私が十分な年齢になったら研修制度に参加してみてはどうか”と言ってくれたんです」
「それまでは、デザインが実際に仕事として存在するとは知らなかったので、物がどのように作られているのかを知りたいという興味に駆られました」
ヨットからクルマへ
ーーどのようにしてデザインの世界に入ったのですか?
「建築家として経験を積んだ後、ボートのデザインの世界に入りました。全長80mのスーパーヨットや、個人オーナー向けのボートなどです」
「それが(イネオス創業者の)ジム・ラトクリフと知り合うきっかけでした。私は彼のためにボートをいくつか設計し、建造にも関わりました」
「グレナディアの初期の話し合いにも参加していましたが、彼はプロジェクトに参加してみないかと尋ねてきました。面白そうな話でしたし、とても魅力的でした」
ーー新しい分野を学ぶのは大変でしたか?
「鞍替えすることは必ずしも悪いことではないと学びました。表層的なデザインとデザイン思考には興味深い類似点があります」
「今、私はデザインリーダーですが、チームの中には他のデザイナーもいます。私一人でやったことはありません」
現代のSUVにないもの
ーージム・ラトクリフとの仕事はどんな感じですか?
「ジムはデザインのプロセスが大好きで、とても熱心に関わってくれます。彼は素晴らしいアイデアを持っています。私の仕事は、アイデアを形にするのを手伝うことです」
「スーパーヨットを建造する際には、4年間のプログラムが必要になるので、その人のことをよく知ることができます。私たちは良い友情を育み、お互いにクルマを楽しんでいました」
ーーグレナディアは愛すべきクルマなのか、それとも道具なのでしょうか?
「両方です。私たちは、現場で実績を残し、人々の心を掴んだクルマにとても興味を持っていました」
「ただ、現代のSUVの多くは、必ずしもそうとは限りません」
「私たちが持つコレクションの中には、人々が選び、共感してくれるような正直さがあり、グレナディアにも同じものを求めました」
「だからこそ、ベンチマークのためにクルマのコレクションを集めたのです。どれも評判の良いクルマばかりでした」
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August 08, 2020 at 08:51PM
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