8日に2日目が指し継がれた第78期名人戦七番勝負第5局は、渡辺明三冠(36)が豊島将之名人(30)に128手で勝利し、通算成績を3勝2敗として名人位獲得まであと1勝とした。
同日、AbemaTVトーナメント準決勝が行われ、チーム永瀬(永瀬拓矢二冠・藤井聡太棋聖・増田康宏六段)がチーム康光(佐藤康光九段・谷川浩司九段・森内俊之九段)を破り、決勝進出を決めた。
将棋ファンにとっては、終日にわたって将棋を楽しめる一日になった。
タイトルホルダーが集結する姿は、さながら「将棋まつり」のようだった。
たどり着いてまだ互角
名人戦は、1日目から豊島名人が攻勢に出た。
互いの研究範囲で進んでいたが、局後の感想によると、渡辺二冠は構想がうまくいっていないと感じていたようだ。
現に、封じ手の段階では豊島名人有利とみられていた。
しかし、2日目に入って渡辺二冠が巻き返す。
豊島名人も耐えて、18時の夕食休憩では再び互角に戻っていた。
3連勝
ABEMAで17時に配信が始まったAbemaTVトーナメント。
こちらは団体戦で、先に5勝したチームの勝利となる。
ここでチーム永瀬が出だしから3連勝!
1回戦:×佐藤九段―藤井棋聖◯
2回戦:×谷川九段―永瀬二冠〇
3回戦:×森内九段ー増田六段◯
勝負の行方は早くも決まったかのようにみえた。
その頃、名人戦でも動きがあった。
豊島名人に判断ミスがあり、渡辺二冠に形勢が傾き始めたのだ。
永瀬二冠&藤井棋聖を連破
勝負あったかにみえたAbemaTVトーナメントにも大きな動きがあった。
佐藤九段が1勝を返して迎えた第5回戦。森内九段が藤井棋聖を破ったのだ。
藤井棋聖の攻めを強靭な受けで跳ね返し、最後は自玉を安全にしてから万全の態勢で寄せきる強い内容だった。
これで通算成績はチーム永瀬の3勝2敗に。
そして増田六段が勝ってチームの勝ち抜けまであと1勝となった第7戦。
ここで再び輝きを見せたのが森内九段だった。
永瀬二冠の猛攻をこちらも強靭な受けで跳ね返した。
何度も森内玉がピンチにさらされたが、あと一歩攻め手が届かなかった。
4回戦:◯佐藤九段―永瀬二冠×
5回戦:◯森内九段ー藤井棋聖×
6回戦:×谷川九段―増田六段〇
7回戦:◯森内九段ー永瀬二冠×
名人位まであと1勝
名人戦は、渡辺二冠が有利になってから着実にリードを広げていった。
いつも以上に手堅い指しまわしには、初の名人位にかける思いを感じた。
前日の1日目は終始押され気味だった渡辺二冠だが、2日目に入って指し手が冴え渡った。
この日一番の輝きを見せたのは、渡辺二冠と言っていいだろう。
最後に魅せたのは
大詰めを迎えたAbemaTVトーナメント、第8回戦は藤井棋聖ー佐藤九段の対戦に。
この二人は第1回戦でも対戦があり、乱含みの一局を藤井棋聖が逆転で制した。
第8回戦は矢倉のねじり合いになった。
超早指しとは思えない密度の濃い戦いに、ファンもそして筆者もうなりながら観戦していた。
終盤、詰む詰まないが絡む難解な攻防が繰り広げられた。
残り時間数秒の中、詰む詰まないを正確に読み切り、ギリギリのところで藤井棋聖が佐藤九段の追撃を振り切った。
最後の最後に輝きをみせたのは、持っている男、藤井棋聖だった。
チーム永瀬が5勝3敗となり、決勝進出を決めて長い一日は幕を閉じた。
9回戦:×佐藤九段―藤井棋聖◯
叡王戦
チーム永瀬とチーム渡辺(渡辺明二冠、近藤誠也七段、石井健太郎六段)の決勝戦は22日(土)にABEMAで生中継される。
名人戦第6局は14日(金)・15日(土)に行われる。
渡辺二冠、悲願の名人位獲得なるか。注目の一番だ。
そして昨日激戦を繰り広げた豊島名人・竜王と永瀬二冠は、明日(10日)再び戦いが待っている。
叡王戦七番勝負第7局だ。
ここまで2勝2敗2持将棋と死闘の様相をみせるシリーズ。
本局はシリーズ初の持ち時間6時間での対局となる。
名人戦七番勝負、叡王戦七番勝負、AbemaTVトーナメントと、どれも佳境に入ってくる。
死力を振り絞る男たちの戦いの行く末にご注目いただきたい。
2020-08-09 03:37:06Z
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