耕作放棄地を有効活用するため二〇一七年から整備されている湖西市の前向花畑で三日、初めて結婚式が営まれた。色とりどりの花が咲き誇る中、太田典克さん(37)、恵梨さん(27)夫妻=同市ときわ=が、親族や友人らから祝福を受けた。 (鈴木太郎)
花畑は同市吉美出身の恵梨さんにとってなじみのある場所。思い出の地で挙式しようと、移動式チャペルによる結婚式を手掛けるブライダル会社「ルーロット」(神戸市灘区)に相談し、畑を管理するNPO法人ハピネス湖西の協力で実現した。
高温で一面に広がる菜の花が終盤を迎えたことから、今年新たに設けたネモフィラとチューリップの畑の近くにトレーラーハウスの教会を置き、まだ咲いている菜の花や、NPO会員が持ち寄ったコデマリやシレネの花で周りを飾った。
白く着飾った二人は地名にちなんで前向きな家庭を築くことを誓い、互いの両親に感謝の言葉を贈った。その後は親族や友人ら三十人ほどが代わる代わる記念撮影して祝った。
恵梨さんは「他にない式になった。野外だったので密を気にせず、気軽に知り合いに声を掛けられたのも良かった」、典克さんは「前日には地域の人と畑を一緒に整備するなど、周りと手作りで進めていく過程が楽しかった」と振り返った。
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