Thursday, April 29, 2021

【石川】農園結婚式 地域と密に 穴水移住 若手夫妻手作り - 中日新聞

農園に張られたテントの披露宴会場で、地域住民らから祝福を受ける新郎新婦=29日、石川県穴水町大郷で

農園に張られたテントの披露宴会場で、地域住民らから祝福を受ける新郎新婦=29日、石川県穴水町大郷で

コロナ禍、風通し良く「新しい形 発信」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、結婚式を気軽に開けない昨今。昨年二月に関西から石川県穴水町曽良へ移り住み、シェアハウスを営む中田北斗(ほくと)さん(32)、詩乃(しの)さん(29)夫妻が二十九日、風通しが良く密も避けやすい同町大郷(だいごう)の農園で結婚式を挙げた。奥能登の過疎化が進む集落に移り住んだ夫婦のため、住民も祝福。あいにくの天候だったが、新郎新婦と参列者の表情はさわやかに晴れわたった。(森本尚平)

 夏野菜の苗が並ぶビニールハウス。そこが二人のバージンロードだ。新婦は、裁縫が趣味の母みゆきさん(57)が手作りした真っ白いウエディングドレスに身を包み、ゆっくりと歩いた。参列者は農作業着や普段着に長靴で、二人を祝った。

 大阪市出身の北斗さんと神戸市出身の詩乃さんは、穴水町岩車のシェアハウスで出会った。二人とも「田舎暮らし」を考えており、意気投合。同町曽良へ移り住み、昨年四月に結婚した。現在は二人でシェアハウス「ほくほく邸」を営みながら、やりたかった農作業に精を出している。

 コロナ禍で、妹の結婚式が中止になった北斗さんが「自分たちで式をつくればストレスがなくていい。畑でやれば、換気もできるし密も避けられる」と、式を計画した。移住当初から農作業で交流のある同町大郷の農家、滝谷政博さん(73)の農園を借りた。

 滝谷さんは「能登地方の過疎地に若い夫婦が来てくれた。住民も気持ち良く受け入れて協力し、新しい発想は取り入れていきたい。地域の活性化につながれば」と期待する。

 式はほとんどが手作り。農園内のテントが披露宴会場で、住民らも協力して準備し、卓には地元で採れたタケノコやワラビの煮物、イワシのつみれが入ったみそ汁などが並ぶ。夫婦が行きつけの同町川島の老舗すし店「福寿司」の店主、松本志郎さん(75)も出張ですしを握った。

 詩乃さんは、泥まみれとなった真っ白いドレスのすそを見ながら「農園での結婚式ならでは。こんなの都会じゃできない」と満面の笑みを浮かべた。

 二人は、結婚式の様子などを動画で撮影し、後日動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」に投稿する。北斗さんは「コロナ禍でもできる新しい結婚式のスタイルを発信したい」と話している。

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