Sunday, April 26, 2020

「日本型企業の原型」財閥が、現代の会社・組織の問題点をあぶり出す? 武田晴人『財閥の時代』(Book Bang) - Yahoo!ニュース

近代日本の経済を象徴する存在である「財閥」。三井・三菱・住友といった「三大財閥」を筆頭に、巨大な企業集団を形成し、今もなお大きな影響力を誇っています。一方で、財閥と聞くと、どこか閉鎖的でマイナスなイメージを持つ方も少なくないのではないでしょうか。しかし、今回『財閥の時代』を刊行した武田晴人さんは、「財閥の存在を考えることで、今の会社や組織の問題点を指摘することができる」と言います。財閥が日本経済に果たした役割についてお話を伺いました。

■日本の経済史を考える上で「財閥」を避けては通れない

――なぜ、数多ある企業の中で財閥という存在を選ばれたのでしょうか? 

武田:そうですね、この本が最初に出たのは1995年でした。「世田谷市民大学」というところで行われた社会人向け講義が元になっていて、この講義自体は90年の秋、もう30年ほど前に開いたものでした。与えられたお題はざっくり「日本の企業の歴史」というものだったのですが、そこで選んだのが「財閥」というわけです。

 財閥がクローズアップされる文脈は、大きく分けて二つあります。一つは経済史。戦前、日本はいわば「独占的資本主義」と呼ばれるような体制だったのですが、その中で最も重要な地位を占めたのが財閥でした。もう一つは経営史です。ご存知のように、明治以来、日本は急激な経済発展を遂げるわけですが、その主役が企業という存在です。そして、その中でも財閥というのは、諸外国と比較してもちょっと特異な性格を持っていました。それは出資者と企業との関係など日本企業の特徴に繋がるものです。

――どういうことでしょうか? 

武田:財閥というのは、基本的に出資者以外からの資金を受け入れないんですね。これを専門的には「出資の封鎖性」と言います。ふつうの企業は、資金を借り入れたり、株式を募集したりして、より多くの資金を得て、その分だけ高い成長力を見込むことができます。しかし、財閥の場合それはできない。にもかかわらず、日本経済のトップをずっと走り続けている……これが財閥の面白い点です。そして、その成長の結果、先ほど述べた独占的な産業支配という構造が出来上がってくる。二つの文脈が繋がってくるわけです。

――財閥が近代日本の経済を語る上で、避けては通れないものなんですね。

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April 27, 2020 at 05:00AM
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