宮崎県綾町のガラス工芸作家で国の現代の名工、黒木国昭さん(75)の個展が20日、佐賀市の佐賀玉屋で始まった。多彩なガラスの技法を駆使し、日本の独自意匠を表した大作、小品約150点を展示。西洋と和の伝統美の融合を追求している。28日まで。
代表作「光琳」は、プラチナ箔はくに象眼を施して花鳥風月を繊細に表現する。若き日に鑑賞した江戸時代の尾形光琳ら琳派の華やかな作品への敬慕を感じさせる。
「薩摩切子」の復元に携わった経験をもとに独自に生み出したのが「綾切子」シリーズ。琥珀やコバルトなど数色を重ねたガラスに、木の実、葉脈などの文様を精巧に彫り込む。日本最大の照葉樹林がある綾町に工房を構えており、環境保全への思いが込められている。
浮世絵の名品もガラスで表現した。葛飾北斎の冨嶽三十六景「五百らかん寺さざゐどう」を、あんどんで再現。板ガラスに細かなパーツを重ねて立体的に仕上げた。56年のキャリアで培った多彩な技法による花器やオブジェ、ランプなどに来場者は見入っていた。
国内外で展覧会を開き、海外での評価も高い黒木さん。新型コロナ感染予防で、台湾での個展では綾町の工房からリモートで参加した。佐賀玉屋での個展は5回目で「自然を題材とする日本の美は元気や気力を与えてくれる。展示を見てもらい、コロナで沈んだ心を晴らしてもらえれば」と話した。(大田浩司)
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