
トヨタ自動車の豊田章男社長は10日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言に対し「私たちトヨタが大切にしてきた価値観と異なっており、誠に遺憾」などとするコメントを発表した。
豊田社長は「トヨタは日本で生まれ、世界各国の方々に支えられ成長してきたグローバル企業」とした上で、平等や差別撤廃を掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の実現を目指して努力を続けていると言及。五輪の最高位スポンサー契約を結んだ背景についても「スポーツを通じて平和で差別のない、全ての人が参加できる社会を目指す五輪・パラリンピックの精神に共感したため」と説明した。
豊田社長が社外の人物の発言に関してコメントを出すのは異例。トヨタが10日発表した2020年4~12月期連結決算の記者会見の中で渉外広報担当の長田准執行役員が読み上げた。長田執行役員は「トヨタが何を大切にしているか、世界をどのように見ているのかを正しく理解いただくため、ここで沈黙してはいけないと判断した」と説明した。
トヨタの社外取締役には女性や車いすバスケットボールの選手だったフィリップ・クレイヴァン氏(国際パラリンピック委員会前会長)も名を連ねている。関係者によると、この数日間に社内で議論を重ね、スポンサーとしてではなく、一企業としてコメントを出すことを決めたという。
トヨタは日本に生まれ、世界各国の多くの方々に支えられ成長してきたグローバル企業でございます。私たちは、大変お世話になっている街の人々に笑顔になっていただける街一番の会社を目指して、世界各国で企業活動を行っております。そして、ホームタウン、ホームカントリーと同じように、私たち人類の故郷である地球というホームプラネットを大切にしたいと考え、SDGsの目標の実現を目指して日々、努力を続けております。これは、スポーツを通じた平和で、差別のない社会、全ての人々が参加できる社会を目指すオリンピック・パラリンピックの精神そのものでございます。その精神に共感をして、私たちはオリンピック・パラリンピックのスポンサーになることにいたしました。しかし、今回の大会組織委員会のリーダーのご発言は、私たちトヨタが大切にしてきた価値観とは異なっており、誠に遺憾であります。
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