Sunday, February 7, 2021

ミャンマーでインターネット遮断、市民の反発高まる中 抗議デモも - BBCニュース

Protesters flash the three-finger salute, a symbol of resistance, as they demonstrate against the military coup in Yangon

ミャンマー軍は6日、国内のインターネット接続を遮断した。この日は1日の軍事クーデターに反対する多くの市民が、抗議デモに参加した。

監視団体ネットブロックス・インターネット・オブザーバトリーによると、同国ではインターネット接続が通常の16%まで低下した。

最大都市ヤンゴンでは、大勢が「軍の独裁者は失敗する、民主主義が勝つ」と声をあげた。このデモに対して、盾を持った警官が市街地への大通りを封鎖した。

ミャンマー軍はこれまでに、抗議デモの計画を阻止するため、ツイッターやインスタグラム、フェイスブックといったソーシャルメディアへのアクセスを遮断している。

市民はVPN(仮想プライベートネットワーク)を使って遮断を回避していたものの、全般的な遮断によってこれも難しくなっている。

ロイター通信によると、市民団体らが通信各社やインターネット接続業者などに対し、遮断命令に対抗するよう呼びかけている。

人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは、インターネット遮断は「凶悪かつ無謀」な行為だと批判。ミャンマー国民を人権侵害のリスクにさらすことになると警告した。

ミャンマー軍は声明を発表していない。国軍は1日のクーデター当日も、一時的にインターネットを遮断していた。

「未来の世代のため」のデモ

6日午前には、工場従業員や学校の生徒たちも抗議に参加し、アウンサンスーチー国家顧問などの解放を求めた。

デモ行進はヤンゴン市内を歩き回り、市バスはクラクションを鳴らして支援した。

また、通行人も映画「ハンガー・ゲーム」にちなんだ3本指の敬礼で参加。通り沿いの家からは拍手や鍋などを叩く音で支持を表明する住民もいた。

BBCビルマ語のソーウィンタン編集長は、与党・国民民主連盟(NLD)を支持する赤いステッカーを窓に貼る家が増えていると報じた。

Demonstrators protest against the military coup and demand the release of elected leader Aung San Suu Kyi, in Yangon, Myanmar

これに対し盾を持った警官らは、有刺鉄線で道路を塞いだり、放水銃などを配備して衝突に備えた。しかしデモは平和的に行われ、警察の停止線を超えようとするデモ参加者もいなかったという。

抗議者の中には警官に花やペットボトルを手渡し、軍事政権でなく市民を支持するよう訴える人もいた。

ダン・チャグ駐ミャンマー・イギリス大使はBBCの取材に対し、街へ出て抗議する人は増えていると語った。

「ここ数日は悲しみに包まれていたが、段々と怒りに変わってきた」

「医師や公務員が仕事に行くのを拒否している(中略)国全体に、今起きていることへの不満、そして怒りが満ちている」

Riot police block a road in Yangon

ミャンマー第2の都市マンダレーでも、抗議デモが行われた。

クーデター勃発(ぼっぱつ)以降、ミャンマー国内では大きな動きはほとんどなく、この日の抗議でも暴力沙汰の報告は出ていない。今後も抗議運動は続くとみられている。

軍当局は首都ネピドーに居座っており、現時点では抗議参加者と直接関わることを避けている。

BBCのニェインチャン記者によると、ミャンマー国民は軍による暴力的な抑圧がどういうものかよく分かっているという。同国は1962~2011年まで軍事政権が権力を握っていた。

しかし、市民は次第に何が起きたのかを飲み込み始め、さまざまな方法で声をあげようとしているという。

アウンサンスーチー氏の弁護士によると、同氏は首都ネピドーの自宅に軟禁されている。アウンサンスーチー氏は、無線機を違法に輸入し使用していた疑いがもたれている。

ソーシャルメディアが果たした役割

クーデターは、昨年11月の総選挙の結果を受け、新しい議会が始まるタイミングで行われた。国軍はこの総選挙で不正行為があったと主張しているが、選挙管理委員会は疑惑を裏付ける証拠は出ていないと述べている。

ミャンマーでは国民の多くがフェイスブックを情報源としており、クーデターの様子もフェイスブックを通じて知った人が多かった。しかし4日、プロバイダー各社は政情安定化のためにフェイスブックへのアクセスを遮断するよう命じられた。

これを受けて、市民はツイッターやインスタグラムへ移行。ハッシュタグなどを使ってクーデターに反対の意を示した。5日午後10時には、これらのプラットフォームへのアクセスも遮断された。

軍部からの正式な発表はないが、AFP通信によると、未確認の軍の書類にこれらのソーシャルメディアが「世間に誤解を与えるために使われている」という記載があるという。

ツイッターの広報担当者は、当局による使用禁止によって「公の場での会話や、人々が声をあげる権利」が損なわれていると述べた。インスタグラムを傘下に置くフェイスブックはミャンマー当局に対し、「接続を回復させ(中略)人々が家族や友人と交流し、重要な情報を得られるように」してほしいと求めている。

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