Sunday, April 26, 2020

「人生最後の仕事だと思ってやっている」 大蔵省出身頭取の覚悟 ~涙の先に~ 全国最小銀行トップが銀行の常識を変えた(下) - 日経ビジネス電子版

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クーデターが起きるのではないか――。資産が2700億円規模で全国最小銀行の佐賀共栄銀行で頭取が解任されるとまことしやかに噂された時期がある。頭取に就任してまもない佐賀共栄銀の二宮洋二が、店舗・人員削減の改革を遂行しようとしていた2014年度だ。大胆なリストラを進めようとする二宮に対して、頭取以外の当時の経営陣は猛反発。両者の溝は埋まらず、最終的に反対する取締役が2年で全員退任し、今も現役の二宮が改革を断行した。そしてその後、佐賀共栄銀は13年間低下が続いていた貸出金利息収入の前年比プラスを果たすことになる。日経ビジネス3月16日号ケーススタディーで紹介した佐賀共栄銀。地方銀行は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、厳しい経営が予想される。佐賀共栄銀の真価が問われるのはこれからだが、二宮が就任してから6年をかけて全国最小の銀行が断行してきた経営改革の軌跡を追った(敬称略)。

佐賀共栄銀行本店営業部の入り口。建物は前身となる佐賀相互銀行時代の1972年に建てられた

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 2019年12月26日、午前9時から佐賀共栄銀行本店で始まった「情報連絡会」と呼ばれる幹部会議で、取締役の力久芳則は頭取の二宮洋二の発言をメモするため、ペンを走らせた。

 「『頭取ならこう考える』と思うな。自分で考えて言え」

 「まずYESから入る。臆せずやってみる。NOと言ったらそこで終わり」

 「強敵にも強気で戦う」

 「地位を得たものは、果たすべき義務がある=noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」(編集部注:欧州由来の価値観、フランス語)

 「第一地銀は百貨店のような経営。規模が小さい我々第二地銀は他がやらないユニークなことができる。小さいからこそ生き残れるメリットがある」

 「過去にこだわらず、今の我々の常識で考えよう」

 力久はメモしながら、発言に共感し、次第にペンを握る力が強くなった。こうした二宮語録を記録するのは、「佐賀共栄銀の<Keyword>」として部下に伝えるためだ。

 二宮に言われてやっているわけではない。2014年6月に二宮が頭取に就任して以降、断行してきた構造改革をさらに進めるためには、行員一人ひとりの意識が変わらなければならないと考え、自主的にやっている。

 「構造改革を成功させるためには、最後は人。行員一人ひとりの意識の変化だ」。常々そう考えていた二宮は、自分の学んだことや経験を披瀝(ひれき)したり、松下幸之助ら有名経営者の言葉を引用したりして、行員に意識改革を促した。各行員がそれらの指摘を自分のことと捉え、能動的に行動しなければ、組織は動かない。

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April 27, 2020 at 03:00AM
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