Saturday, May 18, 2024

NHK大河「光る君へ」伊周&隆家の「長徳の変」で窮地に立つ定子 まひろの行動の意図は…第20回みどころ - スポーツ報知

NHK大河「光る君へ」伊周&隆家の「長徳の変」で窮地に立つ定子 まひろの行動の意図は…第20回みどころ - スポーツ報知

 女優の吉高由里子が主演するNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)の第20回「望みの先に」が19日に放送される。

 大石静氏が脚本を手がけるオリジナル作品。大河ドラマではきわめて珍しい平安時代の貴族社会を舞台に、1000年の時を超えるベストセラー「源氏物語」の作者・紫式部/まひろの生涯に迫る。12日に放送された第19回「放たれた矢」では、右大臣として公卿の頂点に立ち、民のための政を為(な)そうとする道長(柄本佑)と、先を越された伊周(三浦翔平)の軋轢(あつれき)がさらに高まっていく姿が描かれた。

 一条天皇(塩野瑛久)から「関白になりたいのか」と尋ねられた道長は、陣定(じんのさだめ)に出られない関白ではなく、右大臣として公卿の声に向き合うことこそが帝を助けることになると主張。「(これまでの関白とは)異なる道を歩きとうございます」と宣言した。

 一方で、政をスムーズに運ぶため同世代の俊賢(本田大輔)、行成(渡辺大知)を重用。伊周らを説得した俊賢の世渡りの妙はもちろんだが、行成が道長に日記を書くことを勧めるシーンが「権記」「御堂関白記」につながるという描き込みが文学好きの視聴者的にはうれしい。実資(秋山竜次)の「小右記」も含めて、後世の我々には貴重な史料であり、書き続けてくれた道長らには感謝したい。

 まひろ(吉高由里子)は清少納言(ファーストサマーウイカ)のはからいで内裏へ。廊下に散乱している嫌がらせの撒菱(まきびし)にも堂々と立ち向かう清少納言がカッコいい。「源氏物語」の桐壺更衣が食らった嫌がらせのオマージュのようだった。史実では同時代を生きながらも顔を合わせたことがあったかどうかも怪しい2人。共通の言語を持つシスターフッド的な描かれ方も新鮮である。

 まひろは、定子(高畑充希)だけでなく一条天皇にお目通りがかなうことに。写したてホヤホヤの「新楽府(しんがふ)」を用いて政のあるべき姿を進言し、帝を驚かせる。一条天皇からまひろのうわさを聞かされた道長は、まひろの志を誇らしく思うとともにその夢に共鳴。父・為時(岸谷五朗)を10年ぶりに従五位に昇進させ国守に任命する。六条の廃院で再会しても言葉も交わさなかった2人。離れていながらも、まひろの息づかいや体温が道長の中で生きている。

 一方、やさぐれている伊周は、陣定では暴れ、内裏では定子に皇子を産むように迫る。まったくいいところがないが、伊周って感情のコントロールができない根性無しなだけで、決して悪人ではない。通っている女を寝取られたと勘違いしベソベソ泣く姿には「ここまで甘やかされてきたんだなあ…」と同情したし、兄をけしかける隆家(竜星涼)のエネルギッシュぶりには笑った。本来の竜星は涼やかな好青年だが「ちむどんどん」のニーニーといい、向こう見ずな兄弟が実に似合う。ラスト1分、花山院(本郷奏多)に隆家が矢を射かけ、いわゆる「長徳の変」が幕を開けることとなった。

 第20回では「長徳の変」を機に、定子や伊周、隆家の運命が大きく動く。一条天皇は伊周と隆家に厳しい処分を命じ、定子は内裏を追われることに。絶望のふちに立った定子の選択が描かれる。一方、まひろ(吉高由里子)は、宋人の言語を解する父・為時の適職は任命されたは淡路守でなく越前守の方が適任だと考えて…という展開が繰り広げられる。

 一本の矢がここまでの事態を引き起こすのか。コミカルなシーンもあるけれど、総じてどうにも切なく胸が痛む回である。また平安時代は筆跡が人物のアイデンティティーであったが、この回ではとりわけ、その“筆”が存在感を放っており、物語の行方を左右する。そして平安文学ファンのみなさんは本編終了後の予告まで見逃さずに楽しんでもらいたい。(NHK担当・宮路美穂)

Adblock test (Why?)



2024-05-18 04:00:00Z
https://news.google.com/rss/articles/CBMiNGh0dHBzOi8vaG9jaGkubmV3cy9hcnRpY2xlcy8yMDI0MDUxOC1PSFQxVDUxMDc4Lmh0bWzSAQA?oc=5
Share:

0 Comments:

Post a Comment