<アマゾンの熱帯雨林を切り開く人々、水銀で地下水を汚染する人々......彼らの多くは貧しく、迫り来る未来への選択肢などない>
上空からは無垢に見える熱帯雨林に、私の興味を引き付けて離さない汚れたオーラがある。汚い思想。汚れた都市。私の知る南米アマゾンは、倒木や、孤立して暮らす先住民族、大河だけの土地ではない。
巨大な熱帯雨林の真ん中に生まれた都市が、制御を失い拡大し続けている。ブラジルのベレンやマナウスといった都市は、いま世界で最も危険な場所の1つだ。アマゾン川は南米有数のコカイン取引ルートで、犯罪組織が支配権を争っている。弾丸を浴びた死体がトラックで運ばれていくのを、まるで何かのショーを見るように、子連れの女性が眺めている。
森を切り開く人、水銀で地下水を汚染する人、土地を耕すために森林を燃やす人......。彼らの多くは貧しく、迫り来る未来への選択肢などない。彼らにとって森林は余るほどあり、間違っているのは科学者であり、飢餓の痛みこそがリアルだ。
ベールに包まれた流血と破壊の真実に光を当てるため、私は写真集『AMAZONIA』を出版した。現状を知り、疑問を持つことが何より重要だと信じている。
――トンマーゾ・プロッティ
Photographs by Tommaso Protti for Fondation Carmignac
撮影:トンマーゾ・プロッティ
1986年イタリア生まれ。大学で政治学、国際関係学を学び、2011年からフォトグラファーとして活動。ここに掲載した作品は、仏カルミニャック財団が運営する人権侵害、戦略的地政学、環境などについての優れた調査報道に贈られる「カルミニャック・フォトジャーナリズム賞」を受賞したもので、同財団の支援の下で制作された写真集『AMAZONIA』と、同名の展覧会(パリのヨーロッパ写真美術館で2月16日まで開催中)からの抜粋
<本誌2020年1月28日号掲載>
Photographs by TOMMASO PROTTI
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