夕ごはんを食べて、すやすや眠る子どもたち。お母さんやお父さんがお迎えに来る時間は深夜2時。そんな「夜間保育園」があることを知っているだろうか?
福岡・中洲にある夜間認可保育園「どろんこ保育園」に3年半密着し、『真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園 』を上梓した三宅玲子さん。
「夜の子」たちの保育を巡るルポルタージュは、「社会は児童虐待をどう防ぐか?」という問題につながっていった――。
親子を社会につなぎとめるために
「どろんこ保育園」で働くある保育士は、夜間保育園よりも安全基準が低い「ベビーホテル」と呼ばれる施設にやむを得ず子どもを預ける母親たちを「社会からネグレクトされた人たち」と心配する。
その言葉に象徴されるように、この本を通して夜間保育園を巡る現状を知ることで強く感じるのは「親を支える」大切さだ。
<「おかあさんもがんばってるよ。子どもたちには、おかあさんはがんばってるよ、って、言ってあげたいよね。そういう気持ちで子どもに接したいよね」>
「おかあさんもがんばってるよ」「一生懸命だよ」。天久理事長は保育士たちに、保護者に、折りに触れこう繰り返す。保育園が子どものためだけでなく、親が社会や行政とつながる場でもあることがよくわかる。
<「2年後にはうちの子も保育園を卒業するやないですか。それまでに、生活をちゃんとしたいんですよね。そうでないと、保育園から離れたら、わたし、もう、すごく困ると思うんですよね。この子を預けるためっていうより、自分が精神的に助けてもらっとうけん」>
私たちは、児童虐待を防げるか?
三宅さんが取材を続けている最中、目黒区で5歳の女の子、船戸結愛ちゃんが虐待死した痛ましい事件があった。連日メディアで報じられる事件の背景と、どろんこで出会った母親たちの語ることが少なからず重なったという。
「あのおかあさんも、私が出会った人たちのように誰かに支えてもらっていたら何か違ったんだろうか……と考えざるを得ませんでした」
「書いているうちに『夜の子』の話では到底終わらなくなってしまった。原稿をまとめるのに苦労しました」
その言葉通り、本書の終盤では「児童虐待の防波堤を社会はどのように作れるか?」というテーマに広がっていく。
「虐待を防ぐためにできることはありますか?」
三宅さんの問いかけに、同事件の虐待検証委員会の委員長でもある山縣文治氏(関西大学教授)が返す言葉は重い。
<「もうやれることは手を尽くしました。これ以上やれることがあったら教えてほしいくらいです」>
<「システムを活用して学ぼうという人たちは、もともと学ぶ力のある人たちです。つながりの持てない人たちこそ、周囲が支えなくてはならない人たちなんです」>
「子育ての知識や経験の不足、社会的孤立、経済的な不安……児童虐待の背景になりえる要因の一覧を見ると、『何ひとつ当てはまるものがない』と堂々と言える人はほとんどいないと思うんです。誰もが一歩踏み外せば虐待する側になるかもしれない」
「子どもを保育園に預けて共働きで働く親より、専業主婦の方が子育ての悩みや不安が大きい傾向があるそうです。現代の親たちはみんな不安なんですよね」
「だからこそ、親を支える大切さに目を向けてほしい。それは、保育士という仕事の地位を高めていく必要にもつながっていくと思います」
2019年1月、小池百合子東京都知事は、夜間の保育を行う認証保育所(東京都独自の基準を満たす施設)を対象に、夜間や休日の保育士の人件費などを7施設程度に補助することを決めた。
現実的に深夜帯の保育体制を整えるのは難しく、申請は以前から24時間保育を実施している1施設からに留まっている(2020年1月時点)。
三宅さんは「現実的には道のりは厳しいと思いますが」と前置きしながら、「行政が『夜の子』をサポートする姿勢をこれだけはっきりと見せてくれたことには大きな意義があると思います」と希望を語る。
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