Tuesday, September 14, 2021

2千円ワンピ、手作りバージンロードに涙… 2人の「おうち結婚式」 - 朝日新聞デジタル

 今年3月、漫画家の緑丘まこさんは2LDKのマンションに引っ越した。

 年下の恋人・サトル君とは5年ほどの付き合い。

 ワンルームマンションでの2人暮らしは、ケンカが絶えなかった。

 普通に会話しているだけで隣人が壁をたたいてくるので、常に小声で話すようにしていた。

 そんな環境だったことも影響していたのだと思う。

 新居で気持ちにゆとりができたからか、2人の将来について話し合うことが増えた。

 引っ越して3カ月ほど経ったころ、サトル君からプロポーズされた。

 ベッドの中で、ふとした瞬間に「結婚しよう」と告げられた。

 きれいなレストランではないし、婚約指輪もなかった。

 それでも迷うことなく、「はい」と答えた。

両親に電話で報告

 コロナ禍で、実家には長いこと帰っていない。

 お互いの両親には、電話で結婚することを伝えた。

 サトル君の両親に会ったことはないが、電話では何度か話したことがある。

 すでに話は伝わっていたけれど、改めて報告する時は緊張した。

 自分は緊張すると、電話なのについつい身ぶり手ぶりを交えてしまうらしい。

 サトル君は横で聞きながら、ジェスチャーをまねして冷やかしてきた。

 「次の年末年始は、ワクチン接種も済ませて2人であいさつに行きたいです」

 将来の義母にそう伝えると、とても喜んでくれて「末永くお幸せに」と言ってくれた。

姉のウェディングドレス姿を思い出して

 感染を避けるため、友人と会うことも控える日々。

 結婚式を挙げることはまったく考えていなかった。

 それでも、ふとした時に姉の花嫁姿を思い出した。

 ウェディングドレス姿がきれいで、バージンロードを歩く間、姉はずっと泣いていた。

 母はその姿をじっと見つめ、父が涙を流していたのが忘れられない。

 「私もウェディングドレスを着たかったなぁ」

 そんなことを考えていたら、ふとひらめいた。

 そうだ、2人きりで「おうち結婚式」を挙げればいいんだ、と。

8月2日に挙式

 挙式日は、婚姻届を出す8月2日。

 私は白いドレスを着てベールをかぶる。

 サトル君はスーツ姿で、リビングから寝室までバージンロードを敷いて一緒に歩いてほしい。

 そう説明すると「はいはい…

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