新型コロナウイルスの感染拡大を受けて去年3月下旬に結婚式を中止した男性が、式場に400万円余りのキャンセル料の返還を求めた裁判で、東京地方裁判所は「挙式が不可能だったとまではいえない」としてキャンセル料を払う必要があると判断し、訴えを退けました。
横浜市の30代の男性は、緊急事態宣言が初めて出される直前の去年3月下旬に東京都内の式場で100人ほどを招待して結婚式と披露宴を行う予定でしたが、感染拡大を受けて3日前にキャンセルしたところ、すでに支払った料金のうち480万円余りがキャンセル料だとして返金されませんでした。
男性が「新型コロナのまん延で挙式は不可能だった。災害などと同じ状況で、全額返金するべきだ」と主張したのに対し、式場側は「感染対策をとっていて実施は可能だった」と反論していました。
判決で東京地方裁判所の小川理津子裁判長は「飲食を伴う会合の自粛が都知事から呼びかけられていた時期で、挙式をためらう気持ちは十分に理解できる」と述べました。
一方で、「緊急事態宣言は出ておらず、式場は天井が非常に高く、都が避けるように要請していた“3密”の条件にもあてはまらない。挙式や披露宴を行うことが不可能だったとまではいえない」と指摘して、訴えを退けました。
男性の弁護士は「控訴を検討したい」と話しています。
結婚式のキャンセル料をめぐっては新型コロナの影響でトラブルが相次いでいて、東京地裁ではほかにも裁判が行われています。
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