日本人には想像しづらい「企業」としての刑務所。そのビジネスの問題点と、市場を賑わせてきたミーム株の今後を、米国の投資運用会社で働いた経験があり、『マネーの代理人たち』の著書もある小出・フィッシャー・美奈氏が解説する。
「民営刑務所株」高騰のメカニズム
「実に反社会的でモラルの欠如した企業だ。こんな株に投資など、絶対ごめんだな」
「でも、株は割安だぞ」
「モラルなんて知ったことか。俺の財布を膨らませてくれてるんだから」
米ソーシャルメディア「レディット」の株式掲示板での議論が盛り上がった。
レディットで話題になる株に「ロビンフッド」の個人トレーダーらが群がり、それにプロが便乗して株価が高騰する現象については、これまでたびたび触れて来た(関連記事→関連手数料ゼロの人気投資アプリ「ロビンフッド」 ウラで誰が損するのか?)。だが、ついにここまで来たかという感があるのが、「刑務所株」の高騰だ。
日本ではちょっと考えにくいが、米国では営利目的の刑務所運用会社が公開企業として存在し、その株が取引されている。コアシビック(CXW)とジオグループ(GEO)がそれだ。先月9日、ジオグループ株が、突然場中に7割以上も急騰(1日の上昇率は4割弱)し、 コアシビックも2割近く跳ね上がった。
そのきっかけを作ったのは、またしてもロビンフッドの個人投資家達だった。ソーシャルメディアで話題となって急騰する株のことを「ミーム株」と呼ぶが、1月のビデオゲームの「ゲームストップ(GME)」で2500%、5月の映画館のAMCエンターテイメントで600%という驚異的なリターンに味をしめた彼らが、もう一匹のどじょうを狙ったようだ。
メカニズムは良く似ている。彼らはまず、ヘッジファンドなどが仕掛けて「空売り比率(ショートインタレスト、空売りされたまま買い戻されていない株の比率)」が高くなっている株に注目する。空売り勢が持ち堪えられなくなって損切りで株を買い戻す「ショートカバー」によって株価が上がる「踏み上げ」を狙っているのだ。
そしてどちらかというと、小型で比較的流動性が低い、つまり取引量が少なくて価格が乱高下しやすい株が狙われる。GEO株は、これらの条件にぴたりと当てはまった。
からの記事と詳細 ( アメリカで「刑務所株」が急騰!利益を追求する「現代の奴隷制」ビジネスか - 現代ビジネス )
https://ift.tt/3yhTeKo
0 Comments:
Post a Comment