デジタル通貨を実際に発行した中央銀行は今なお限られているが、2020年10月のバハマに続き、本年、東カリブ中央銀行も4カ国での試験発行に踏み切った。カリブ諸国の積極姿勢の背景について、元日銀局長の山岡浩巳氏が解説する。連載「ポストコロナのIT・未来予想図」の第46回。
現在、中央銀行が発行するデジタル通貨(中央銀行デジタル通貨)が世界的な注目を集めています。この背景としては、中国が「デジタル人民元」について積極的な実験を行っていることなどが指摘できます(第6回参照)。
もっとも、現時点でデジタル通貨を実際に発行している中央銀行は限られています。最も早くからこの検討に取り組んできたスウェーデンもなお発行の決定には至っていませんし、デジタル決済インフラ“Bakong”の検討を進めているカンボジアも、中央銀行自身が、「Bakongは中央銀行デジタル通貨ではない」と述べています(第24回参照)。
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