マレーシアのカイリー・ジャマルディン科学・技術・イノベーション相は7月22日、インベスト・クアラルンプール主催の説明会で、クアラルンプール首都圏に所在する外資系企業や商工会議所に対して「国家ワクチン接種計画(PICK)」の進捗状況と今後の方針を説明した。
2021年10~11月までに全成人へのワクチン接種完了
PICKでは、新型コロナウイルス対策として2021年2月下旬の開始当初に発表した2022年2月までに人口の8割に対するワクチン接種を完了するという目標について、全成人への接種を2021年10月から11月までに完了することへ変更した。そのほか、2021年内にマレーシア政府が目指すPICKの目標は以下のとおりとなっている。
- 8月1日までに、クアラルンプールとセランゴール州在住の全成人に対して少なくとも1回目の接種を完了。
- 8月末までに、サラワク州の全成人に対して少なくとも1回目の接種を完了。
- 8月末までに、ほぼ全ての州で接種率50%を達成。
- 9月までに、ほぼ全ての州で接種率70%を達成。
- 10~11月までに、全ての成人に対する接種を完了。
- 1日当たりのワクチン接種回数50万回を達成。
7月25日時点の全国のワクチン接種率をみると、1回目の接種を終えた成人の比率は50.4%、2回目を終えた成人の比率は23.6%に達した。7月12日の週以降の1日当たりの平均接種回数は41万0,968回、22日には過去最高の50万7,050回となり、1日の接種回数の増加に注力している。なお、私立病院やクリニックなどを含むワクチン接種センター(PPV)は全国に2,204カ所ある。
ワクチンの供給状況について、政府は既に総人口の124.3%の分を確保したとしている(添付資料表参照)。
質疑応答では、既に外国で接種完了した外国人に対して入国の際に14日間の隔離期間の短縮あるいは撤廃する問題や、外国でのワクチン接種完了結果を接触者追跡アプリ(MySejahtera)に反映すること、従業員の8割以上がワクチンを接種した場合の経済活動再開について質問があり、カイリー大臣は近日中に発表すると回答した。また、中国シノバック製のワクチンを2回接種した人に対するデルタ株予防のための3回目の接種が要否も検討中とした。
(エスター頼敏寧)
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