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【遺伝子治療薬はここまで来ている】#14
遺伝子治療薬「キムリア」についてもう少し詳しくお話しします。
現在、日本国内で販売され、使われている遺伝子治療薬は4つの疾患に対する4種類の薬剤があります。その中でも、キムリアは「自分の血液をいったん取り出し、遺伝子改変(導入)をした後で体内に戻す」という点で、他の遺伝子治療薬とは大きく異なります。
対象となる疾患は、血液のがんである「白血病」です。国内で使われている4種類の遺伝子治療薬のうち、「がん」を対象としているのはキムリアだけになります。
ただ、どんな白血病にでも使えるかというとそうではありません。「B細胞性急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫」のうち「CD19抗原という分子が細胞表面に発現したタイプ」で、なおかつ「一度治療したが治りきらなかった」場合や「再発してしまった」場合に用います。誰にでも最初から最新の遺伝子治療薬を投与できるわけではないのです。
急性リンパ芽球性白血病は、白血球の一種であるリンパ球が成熟しないうちに異常に増殖してしまう病気です。骨髄で増殖したものが白血病、リンパ節で増殖したものがリンパ腫とされています。がん化した細胞の種類によってB細胞性やT細胞性に分けられます。治療は、がん化して異常に増殖した細胞を、薬を用いて減らします。抗がん剤や免疫抑制剤が使われますが、副作用が出たり、薬で白血球を減らすことから免疫力が低下して感染症になりやすく、患者の負担が大きい治療といえます。
また、薬が効かなかった場合や再発した場合には、治療薬の選択肢が少なくなってしまいます。そのため、新たな治療選択肢としての新薬で、副作用の少ないものが望まれていました。
こうした状況でキムリアが登場し、CAR―T療法という新たな遺伝子治療法が確立されたことは非常に画期的で、これまで治療が困難だった患者に対する治療の“ブレークスルー”として期待されるところです。
(神崎浩孝/医学博士、薬剤師)
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