玉田企画の代表作がよりパワーアップ!
直談判しても出させてもらうつもりだった
――― 約3年ぶりの再演に当たり、現在のお気持ちを聞かせてください。
玉田「東京芸術劇場シアターイーストでの公演のオファーがあった際に、最初は新作を出そうと考えていましたが、劇場からは最初の上演は代表的作品の再演をお願いしますということで、初演で評判の良かった『今が、オールタイムベスト』を規模が大きい会場に向けてアップデートして皆さんに楽しんで頂ければと思っています。僕は役者に対してあて書きすることが多いのですが、前回公演から少し出演者が変わるので、その分も変えてみようと思っています」
神谷「演劇で初めて客演をさせてもらったのが、前回の初演で、すごく楽しかった思い出があります。玉田君のお芝居は場数を踏んできた役者が色んな所から集まるので、文化祭みたいでした。僕自身、再演の舞台自体が初めてで、ウエディングプランナーという役どころは変わらないのですが、今回初出演の岩崎う大さんとの関係性も変わってくるので、そこは新要素としてどうなるのか楽しみです」
岩崎「初演を観させてもらって、とても面白かったことを覚えています。もし声をかけてもらっていなかったら、自分から出たいと玉田君に直談判していたかも知れないですね。今回僕は初演で大人計画の宮崎吐夢さんが演じられた玉田君の父親役として出演するのですが、初演で見た親子喧嘩のシーンが印象に残っています。今、僕の息子が小6の反抗期で、叱っている時にこの作品を思い出したぐらいなので、それを利用してリアルに面白くできたらなと。生々しさがありつつも、誰しも経験したような苦味みたいなものを面白く表現する玉田君の作品は僕も非常に刺激を受けている人間なので、今回は無駄なくそのお手伝いができると思っています」
狙ったものではないことを仕掛けてくれる
――― 初演同様、ある空間に居合わせた登場人物たちによる会話劇が見所となります。
玉田「基本はコメディ作品ですが、僕の中では狙って笑わせてやろうというポイントはそんなに多くなくて、むしろ意図した笑いよりも、何気ないやりとりを重要視しています。僕は独自の笑いのセンスを持っている巧い役者さんが好きで、その人が僕の書いた台詞の中で「ここが面白いかも」と拾って広げてくれることで結果、面白くなるという考え方ですね。神谷さんの初演時の演技は、イメージしていたものとは違いかなり驚かされました。僕が狙ったものではないことを仕掛けてくるのが楽しいです。普段コメディをやっているお二人は絶対そのセンスがあるので、ほぼ信頼して丸投げをしようかなと思っています」
岩崎「俺と(宮崎)吐夢さんと、今回はどういう違いがあるのかな?」
玉田「全然違うと思います。父親の役はみんなの前で賑やかにしている時と、独裁者のような冷たい2面性が特徴だと思っていて、その冷たい時の感じが吐夢さんは湿った感じなのに対し、う大さんは乾いた感じがしますね。より冷めた怖さになるんじゃないかと思います。あと前回、父親の吐夢さんがウエディングプランナーの神谷さんに息子の相談をするシーンがあったのですが、吐夢さんが冒頭に台本にないアドリブをいつも入れてくるんです。僕は助走を付ける意味で一言、二言入れてくださいと言ったら、すごいネタを入れて膨らませてくるんです(笑)。それを神谷さんがリアクションをとってくれて、オチ台詞を入れてから本当の台詞に入っていくという」
神谷「でもまあ、慣れてきたらそれがないと逆に始まらない気もしていましたよ。今回は今回でう大さんとの関係性の中で、なにか新たなニュアンスが作れたら、と楽しみです。実生活での息子さんとの関係性もより色濃く舞台に反映できそうですし」
お客さんと演者の間で共通認識が生まれることが大事
――― 神谷さんと岩崎さんはコントでも活躍されていますが、人を笑わせるという意味で演劇との違いはありますか?
岩崎「僕は笑いとはいえ、その世界観に合っていないというか、何でもありという笑いの取り方は好きではないですね。ちゃんとルールや世界観がある中でやっていきたいところがあって、何でもありではないからこそ面白い。無意識のうちにお客さんは軸を持ってみていると思うので、あまりコントだからお芝居だからという差はないですね。ややお笑いの方が演劇よりは、その世界観の軸から外れていてもありになることが多いし、演劇の方はその世界観にシビアな方が良いのではというイメージがあります。
笑いで一番大事なのは、ウケるかどうか。演劇は見せ物として成り立っていれば笑いは起きなくてもいいという気持ちがありますが、いざ笑いを取るということではお笑いも演劇も差はありません。結局、登場人物の生き様に共感できることで面白いという感情が湧くと思っているので、お客さんと演者の間に共通認識が生まれることが大事ですし、僕と玉田君との中でもそうです」
神谷「テレビに出る芸人さんは常に笑いを求められていますし、尺や番組のテイストという色んな制約に、作るものが左右されるところがあると思いますが、僕らはその枠にいなかったので、自分たちの作った軸というかルールの中でやってきたので、そこまで演劇とのギャップはあるとは思いません。自分たちのコントとの大きな違いとしては、人の作った作品に出ているということなので、ストーリーに向かう中での感情の揺らぎや、ふり幅とかを使って面白いなと思うことを見つける作業をしています」
岩崎「玉田君は人の内面や影の部分に着目していて、一見暗いものをエンターテインメントにまで昇華させていますよね。でもそれを成り立たせるセンスがすごいなと」
神谷「僕は玉田君がプレーヤー(俳優)として作品に出てくることが面白いと思っていて、誰がやっても面白い台本に彼の人間味が乗ってくるところでしょうか。玉田君が出してくる滑稽さの延長線上に自分の感情を自然に置けた気がします。そういう演者としての魅力が恐らく作品に出ている印象がありますね」
神様のような俯瞰視点で観てほしい
――― この作品をより楽しむために、意識しておいた方が良いポイントはありますか?
玉田「個性的な人物が集う群像劇を俯瞰して見ている感覚になる作品だと思います。アリを箱の中に入れて観察するように、人間を舞台という空間の中で覗き見する面白さがあると思っています。色んな関係を見せていく作業が自然とコメディになっていく。お客さんは、神様のような俯瞰視点で観てもらえればと思っています。」
初演よりも面白いものにします!
――― 最後に読者へメッセージをお願いします。
岩崎「初演の宮崎吐夢さんが演じているときから、面白い役だなと思っていて、僕がやったらどうだろうと思って観ていました。息子である玉田君との掛け合いをどこまでリアルで、どこまでエンターテインメントに出来るかに是非ご注目ください」
神谷「何の情報もなく観ても絶対に面白い作品だと思います。さらにう大さんと玉田君の掛け合いの滑稽さはよりパワーアップする気がしていて、前回の初演よりも面白くなる予感があります。初演を観た方も勿論楽しめますし、今回初見の方でも楽しんで頂ける作品だと思います」
玉田「初演より面白くなるように頑張ります。台本がすでに出来上がっているので、稽古時間がちゃんと確保できるのでクオリティは担保できます。1ヶ月まるまる稽古できるのは大きいです。あとはう大さんと親子の関係をより密なものにしていけたらと思います。それによって芝居の見え方も違ってくる。そこを軸にできるぐらい稽古したいですね。また舞台美術も変わるので、是非多くの方々に観てもらえたらと思います」
(取材・文&撮影:小笠原大介)
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February 03, 2020 at 09:14AM
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