文豪・芥川龍之介(一八九二〜一九二七年)の命日「河童(かっぱ)忌」を前に、北区の田端文士村記念館で特別企画展「河童忌記念帖2021in田端〜現代作家が選ぶ芥川龍之介のことば〜」が開かれている。角田光代さんや北村薫さん、山崎ナオコーラさんら人気作家が、芥川作品から選んだ言葉を直筆で書いた色紙と、その理由が展示されている。九月十九日まで。(砂上麻子)
芥川は一九二七年七月二十四日、田端の家で自ら命を絶った。没後、友人や芥川を慕う文士が、作品名を冠した偲(しの)ぶ会「河童忌」を開催。生前の芥川に思いをはせ、俳句をしたためたり、絵画を描いたりした。没後九十年の二〇一七年には、同館で河童忌にちなんだ特別企画展を催した。
角田さんは今回、短編小説「トロッコ」から芥川の言葉を選んだ。その理由について、読んだ時の思いを振り返りながら「この短い小説を読み終えるたび、小説の、文章の奥深さを、幾度でも思い知る」と述べている。
芥川が描いた河童図(同館所蔵)が表側にプリントされたオリジナルマスクも販売。芥川は二十代後半から自らを投影したような河童の絵を描くようになり、晩年には代表作の一つの小説「河童」を執筆した。マスクの裏には芥川の小説、短歌、俳句から選んだ一文がそれぞれ記されている。M、Lサイズがあり、一枚七百円。なくなり次第終了。
記念館の木口直子研究員は「マスクの内側は外から見えない。自分に投げかけられているように芥川の言葉を感じてほしい」と話す。
入場無料。午前十時〜午後五時(原則として月曜、祝日の翌日は休館)。田端駅北口から徒歩二分。問い合わせは同館=電03(5685)5171=へ。
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