新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの結婚式が中止や延期を余儀なくされている。大勢での宴席は感染リスクが高まるとされ、とりわけ高齢の親族にとっては健康への影響も心配されるためだ。そんな中、人生の大事な門出ともなる結婚式を諦めてほしくないと、婚礼事業者が新しいサービスを始めている。
(大渡美咲)
「緊急事態宣言中の挙式はほとんどゼロになり、いまは当時延期された挙式が行われている状況。親戚は呼ばずに、ごく少人数で行うので、着物を着ないケースも多く、仕事の量はだいぶ減りましたね」
和装結婚式のプロデュースなどを手がける「ハートシェルボックス」(兵庫県西宮市)の代表、磯山紅さん(58)はそう話す。
磯山さんは挙式の中止で心を痛めたカップルが多かったと聞き、「偶然コロナ(の時期)に当たってしまったが、せっかくの門出。心温まる小規模の会をさせていただきたい」と考えるようになったという。
そこで考えたのが結婚式の“出前”だ。自宅や思い出の場所など、カップルの希望の場所に出向いて、結婚式を行う「Yuber(ユーバー)和婚」の提供を始めた。
ベーシックプランの内容は、新郎新婦の衣装のレンタル、両家の母親の留め袖レンタル、人前式と写真が付いて28万円(税抜き)。 ほかに、衣装レンタルと写真のみのプランや、希望の場所をハートシェルボックスが用意するプランも用意する。後者の場合は、異国情緒が漂う神戸の名所、北野異人館街の「ラインの館」や、日本庭園が美しい酒造会社「白鷹」が運営する複合施設「白鷹禄水苑」(西宮市)も利用することができるという。
これまでにこのサービスを利用したカップルは、自宅ではなく、磯山さんの事務所の近くにある日本画が飾られた建築物で挙式。
磯山さんは「ご利用されたお客さまからは、いままでの結婚式は時間に追われているイメージだったが、(ひっそりとやる出前結婚式だと)せかされてないので、至れり尽くせりと喜んでいただいた」と話す。
新型コロナの感染はまだ収まる見込みが立たないが、磯山さんは「コロナ禍の中でも、人生の大事な一瞬を大切にして、私たちも一緒に楽しい時間を共有したい」と話している。
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