「柔和」は、漢字から意味が推測できそうな言葉ですが、正しく説明できる人は少ないでしょう。しかし、ビジネスシーンなどで正しい使い方ができないと恥ずかしい思いをするかもしれません。
本記事では正しい意味から類義語・対義語、使えるシーンまで紹介していきます。英語での表現方法もご紹介していきますので、どのようなシーンでも使うことができるようになるでしょう。
「柔和」の意味とは
柔和とは「優しく穏やかなさま・とげとげしいところのない物柔らかな態度」を示す言葉です。人の性格や態度、言動が優しくとげのないことを表したいときに使うことができます。読み方は「にゅうわ」です。
柔和の由来とは
「柔」という漢字は「木」と「矛」の組み合わせで、鋭い武器である矛の柄になれるほどのしなやかで折れない木を示しています。そこから「やわらかい」という意味に発展しました。
「和」という漢字は、軍門の前にある標識の意味や、穂が下に垂れる様子を指す「禾」と「口」の組み合わせです。そこから転じて、軍門の前で平和を願うといった意味や、穂が垂れる様子から、口調を柔らかくするとの意味を持つようになりました。
「柔」「和」の漢字の由来が、そのまま「柔和」の意味の由来になっているのです。
柔和の類義語・対義語
柔和と似ている言葉は多数あります。どれも同じようなニュアンスで使われることがありますが、使い方が微妙に違うので、言い換えることができない場合もあります。さらに、反対の意味で使われる言葉も押さえておきましょう。
類義語 : 「温厚」「穏健」「温和」
「温厚」は穏やかで情に厚いことを指します。「柔和」は人の性質や性格・言動に関して使われますが、「温厚」は言動には使われることなく、人柄や性格に対してのみ使われる言葉です。
「穏便」は物事を角立てず、穏やかに行うことです。穏健は性質や性格に関して使われる言葉で、行動に対して使うことができません。「柔和なまなざし」を「穏便なまなざし」とは言い換えることができないので注意が必要です。
「温和」はおとなしくて優しいことや、あたたかく穏やかなことを意味しています。「柔和」や「温厚」と似ている意味を表しており、性格や言動にも使うことができるので「柔和な性格」を「温和な性格」と言い換えることができます。ただ、「温和」は天候があたたかく柔らかい雰囲気のときにも使うことができます。この点が柔和との違いなので、よく覚えておきましょう。
対義語 : 「粗暴」「辛辣」「険悪」
「粗暴」は性質や動作が荒々しいことを意味します。「粗暴な性格」「粗暴な彼」のように使い、「柔和」と正反対の意味を指す対義語です。
「辛辣」は表現や見方が非常に手厳しいことです。言葉や批判において、相手が傷つくくらい言い方や言葉がきついことを指しています。性格に関しては使うことがなく、あくまでも「辛辣な指摘」や「辛辣な物言い」など言動や行動に対して使う言葉です。
「険悪」とは、人の心や天候、道が険しくて厳しいことを指します。これは人の表情や性質に対して使う言葉です。「柔和」は天候や道に使うことができない言葉ですが、「険悪」は人以外にも使うことができます。
しかし、もともとの性質というよりもきっかけがあっての性質を指しているので注意が必要です。柔和と真逆の対義語ではないことを把握しておきましょう。
柔和の正しい使い方
柔和の正しい意味や他の言葉との違いを把握していても、きちんとした使い方ができないと恥をかいてしまいます。使う対象をしっかり把握することで、どの場面でも誰に使っても恥ずかしくないようにしておきましょう。
柔和は“人”に対して使う言葉
柔和は人の性質や性格、言動に関して使う言葉です。天候やものには使えないので注意が必要です。 しかし、人を模したものには使うことができます。人物が描かれた絵画や仏像などに「柔和な笑みを浮かべた仏像」のように使うことができます。
例文もあわせてご紹介するので、正しい使い方をマスターしていきましょう。
「柔和な性格」
柔らかく穏やかな性格を表現したいときに、「柔和」と組み合わせて使うことができます。性格は人の性質を表す言葉なので、正しい使い方です。「彼女の柔和な性格は、職場での人間関係をスムーズにしている」のような使い方があります。
「柔和な物腰」
「教授の柔和な物腰のおかげで、質問がしやすくレポートが作成しやすかった」というような使い方です。物腰は態度を表す言葉なので、人の性質や言動を示しています。そのため、柔和と一緒に使うことができます。
「柔和な顔つき」
顔つきは顔立ちや表情を指し、人の動作や性質に当たります。柔和と使うことで優しい表情であることや、穏やかそうな顔立ちであることを表現できます。「彼は柔和な顔つきで、小さな子どもを見つめた」のように使います。
柔和の英語表現
柔らかく穏やかであることを示す柔和の英語表現をご紹介します。
Mild
温厚な、優しい、口当たりの良いといった意味を持つ言葉です。温厚なという意味から、柔和に近い表現であるといえるでしょう。ただ、人の性質というより「柔和」の漢字の意味を訳したような雰囲気で使います。
また、人の性質や言動のみならず、天候や食べ物、刑罰に関しても使える言葉なので、日本語の柔和よりも広い意味を指しています。
Gentle
日本でもジェントルマンというように「紳士な」というイメージのある言葉です。優しい、温和な、物腰柔らかなといった意味を持ちます。物腰柔らかなといった訳し方が、「柔和」の意味に近いでしょう。 人の性質や性格にも使うことができますが、天候やものに関しても使うことができる言葉です。
「柔和」は人の性質や性格、言動に対して使われる言葉ですが、英語で表現するときには同じ単語で天候やものに対しても使われるので注意が必要です。
***
「柔和」は人の性質や言動が柔らかくて穏やかという意味を指します。ものではなく人限定で使える言葉だということが重要なポイントです。天候やものなどに関して使うのは間違っているので、把握しておきましょう。
類義語や対義語もありますが、それぞれ似た意味ながら使う対象が違います。適切な使い分けができるようになりましょう。
からの記事と詳細 ( 「柔和」の正しい使い方とは? 類義語や英語での表現も紹介 - マイナビニュース )
https://ift.tt/3rFKMSM
0 Comments:
Post a Comment