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老後資金や月々の生活費のことを心配する人は少なくはないでしょう。それは関東であろうと関西であろうと、国民のほとんどが同じ気持ちだと思います。 「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会)令和2年版(※1)を読むと、地域によって老後の資金や生活費に対する意識に差があるようで興味深いです。地域性があるのでしょうか? さっそくデータを見てみましょう。
中国地域、北海道では老後の生活費をきびしく見積もっている
「家計の金融行動に関する世論調査」とは金融広報中央委員会が、「(1)家計の資産・負債や家計設計などの状況を把握し、これらの公表を通じて金融知識を身につけることの大切さを広報すること、(2)家計行動分析のための調査データを提供すること」の2つを目的として毎年行っているものです。 今回は令和2年版の「老後のひと月当たり最低生活費・年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」に着目してみました。図表1はそれを元に筆者が独自に作成した表です。 【図表1】
まず、「老後のひと月当たり最低予想生活費」を見てみます。全国平均が32万円となっています。しかし、一番高い中国地域では「40万円必要」と想定されています。次いで北海道の「37万円」と続きます。 その「老後のひと月当たり最低予想生活費」について世帯主の年齢が60歳未満の人たちがどう考えているのかと見ると、やはり中国地域の“60歳未満の世帯主”は「48万円必要」と一番高い金額を答えています。次いで、北海道の「36万円」と続きます。この調査の範囲では、中国地域、北海道地域の“60歳未満の世帯主”のみなさんは老後にかかる毎月の生活費を高めに想定しているように読めます。
中国地域では世代間に意識の大きな乖離、しかし北海道では世代間の乖離がなくきびしく想定
ところが、世帯主の年齢が60歳以上つまり、もはや老後に入ったか、入りつつある人の答えの平均を見ると、中国地域では様相が変わります。中国地域の、“60歳以上の世帯主”の回答は「16万円」とぐっと低くなるのです。中国地域では世代による乖離があるのです。 ここで考えておかないといけないのは、現在の60歳以上の人たちはそもそも大きな金融資産を持っているということでしょう。官邸の資料にも「高齢化のなか、個人金融資産の高齢者への偏在は今後も一層進む見通し」と記載されています(※2)。全国平均を見ても“60歳以上の世帯主”は「26万円」と、全年代平均より少し低めに想定されています。 しかし“60歳未満の世帯主”には賃金の減少、社会保険料の値上がりなど先々負担が増えるかもしれません。それらを心配して高めに想定するのかもしれません。それによって世代間に意識の乖離が生じるのでしょうか。 さて、北海道を見てみるとまた様相が変わります。中国地域とは違い北海道の“60歳以上の世帯主”の回答は「39万円」とやはり高いのです。全国地域のトップです。 老後の月々の生活費については、北海道の“60歳未満の世帯主”では月々37万円、60歳を超えても月々39万円と、世代間の意識の乖離はほとんど見られません。北海道のみなさんは世代関係なく老後をきびしく見据えているようです。
からの記事と詳細 ( 老後の生活費に対しての考え方は地域差がある? 厳しく見積もっている地域は?(ファイナンシャルフィールド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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