
男性用化粧品の市場シェアでトップに君臨するマンダムの主力ブランド「ギャツビー」。2021年、新たなブランドキャラクターに就任したのが佐藤健だ。独創的なブランドムービーに加え、ギャツビーの売り上げをけん引するフェイシャルペーパー・ボディーペーパーのCMにも出演。誕生以来「カッコいい」を追求し続けるブランドを体現する。
時代ごとのカッコいいを提案
「運命は、ベートーベンがつくった」「悲劇は、シェイクスピアがつくった」「じゃあ、『カッコいい』をつくったのは、誰?」と佐藤健が問いかける、ギャツビーのブランドムービー。飛ばされそうなほどの強風に向かって全力疾走しながら、自身でその問いに答えを見つけていく。
「雑誌のモデル? 映画のスター? 有名なファッションデザイナー?……いや、それだけじゃない。作業着だったジーンズを、はじめて街ではいた人が、自分を主張したくて、はじめて髪を尖(とが)らせた人が、カッコいいをつくってきたんだ」
その後、「カッコいい」の定義が明らかになる。
「カッコいいとは、誰かが変わろうとするチカラだ。変わりたいという想いが、行動が、次のカッコいいをつくっていく」――。
21年2月にギャツビーの新キャラクターに起用された佐藤が出演するブランドムービーは、映像や音楽のアグレッシブさ以上に、ラストで見せる佐藤の視線の強さに目を奪われる。
メンズ化粧品市場でトップを走るマンダムの主力ブランド、ギャツビーが誕生したのは1978年。ヘアスタイリング、洗顔、スキンケアなど、多岐にわたる製品展開で支持を集めてきた。中でも売り上げをけん引するのが、「ギャツビー フェイシャルペーパー」「ギャツビー ボディペーパー」の「ペーパーシリーズ」だ。
96年発売のフェイシャルペーパーは、外出先で手軽に使える「水のいらない携帯洗顔」として登場。その約2年前から男性向けの洗顔料市場が成長を始め、部活終わりにスッキリすることを求めて洗顔している中高生が多いことをマンダムはつかんでいた。
そこで「外で使える拭く洗顔」というニーズがあるとにらみ、天然コットンを100%使用したフェース用のペーパー洗顔を他社に先駆けて開発した。実際に同社の調査では8割を超える若い男性が、外出時に顔の汗・汚れ・脂浮きを気にしていたことが分かった。

98年にはギャツビー デオドラントボディペーパーを発売。当時の男性の汗・臭い対策といえばデオドラントスプレーが主流だったが、それでは汗による不快感への抜本的な解決とはならなかった。
そこでギャツビーは「拭き取る気持ちよさ」を感じてもらえるよう、ボディー用のデオドラントペーパーを開発した。フェイシャルペーパーより強度の高い不織布を使い、拭き取り時の爽快感だけでなく、殺菌、防臭機能も追加した。
ペーパーシリーズを発売した頃はバブル崩壊の影響で、従来の価値観が大きく転換し始めていた。「『男が洗顔料を使うなんて女っぽい』というイメージも、徐々に崩れかけていた」(マンダム)
製品名を「シート」ではなくあえて「ペーパー」としたのは、「紙で洗顔できるのか!」という驚きを与えたかったためだ。男性の「気持ちいい」に対するニーズをとらえ、ペーパーシリーズは両製品ともに20年連続で売り上げナンバーワンを記録。25周年を迎えた現在も、市場全体をけん引している。
節目の21年には、そろって大刷新した。その際に重視したのは、「カッコいい」と同様、変化し続ける「気持ちいい」という価値を、どうアップデートするかだった。

からの記事と詳細 ( 佐藤健が「ギャツビー」CMで見せる 現代のカッコいい|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞 )
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