Monday, March 1, 2021

カズオ・イシグロさん、ノーベル賞受賞後初の小説…「AI通して人間の愛を考えたかった」 - 読売新聞

カズオ・イシグロさん、ノーベル賞受賞後初の小説…「AI通して人間の愛を考えたかった」 - 読売新聞

 日本生まれの英国の作家、カズオ・イシグロさん(66)が、2017年のノーベル文学賞受賞後初の小説「クララとお日さま」(早川書房)を2日に日本と英語圏などで同時発売する。人工知能(AI)と人間の関係を問う長編。刊行前に読売新聞などのオンラインインタビューに応じたイシグロさんは、「執筆の大切なテーマとしてきた人間の愛を、AIを通して考えたかった」と語った。

 AI搭載ロボットが子供向けの「人工親友」として普及した近未来が舞台。AIが人間の代替物になるかといった問題にも踏み込む。「現状は、AIやロボットが人間に成り代わることは心配していない」と語る。ただ、「私がAIを恐れるようになるのは、その小説が私を感動させたり、泣かせるようになったりしたとき」と語り、人間の感情を理解できるか否かに分岐点があるとの見方を示した。

 現在のコロナ禍については、「作家としてパンデミック(世界的大流行)は考えなければならない問題」との認識を示した。コロナ禍で英国では本の売り上げが伸びたといい、「人々は危機になるほど物語を希求する。物語を読むことで、私たちがどのような状況に置かれ、何をすべきか考えたいのだと思う」と語った。(関連記事文化面、インタビューの詳細は読売新聞オンラインに)

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2021-03-01 15:00:00Z
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