Saturday, March 27, 2021

気球からブーケ、野外でゆったり…コロナで諦めていた結婚式ついに - 神戸新聞

 新型コロナウイルス感染症の影響で結婚式ができなかったカップルに晴れの舞台を用意する企画が27日、兵庫県加西市と小野市で開かれた。加西では熱気球を使って男女が空に舞い、小野ではモニュメントの前で家族らの祝福を受け、カップルは永遠の愛を誓い合った。

■岡田さん、松本さん夫妻 野外でゆったり 小野市

 小野市うるおい交流館エクラ(同市中島町)を拠点に置くNPO法人「北播磨市民活動支援センター」が結婚式費用などを無料としたプレゼント企画を実施。27日は選ばれたカップル2組の式が執り行われ、春の陽気の下、親族らから温かい拍手が送られた。

 同センターによると、企画の参加者を1月から募集したところ、県内外の9組から応募があったという。それぞれの事情を聞き取り、2組を決めた。

 この日、午前に式を開いたのは加西市の岡田壮平さん(34)、志乃生さん(34)。和装で臨んだ2人は、敷地内にある美術家牛尾啓三さんの彫刻「夢・飛翔」の前で家族らの祝福を受けた。

 続いて相生市の松本大空(ひろたか)さん(24)、佳奈子さん(25)が式を挙げた。「きれいなウェディングドレスが見たい」と応募した大空さんは、純白の衣装に身を包んだ佳奈子さんににっこり。照れながら誓いのキスを交わすと、親族らも笑顔を向けていた。

 大空さんは「本当によかった。夫としての意識を新たにしました」とほほ笑んでいた。(杉山雅崇)

■愛甲さん、菅野さん夫妻 気球からブーケ 加西市

 加西市の夫婦2組は、いこいの村はりま(同市笹倉町)で、かさい熱気球サポータークラブが主催する「バルーンウエディング」に臨んだ。

 同クラブがコロナ禍で「何かできないか」と検討していた際、阿部政人代表(54)が勤務する会社の女性社員2人が結婚しても式が挙げられていなかったことから発案した。

 愛甲智弘さん(29)と砂諭理(さゆり)さん(24)は昨年春に結婚したが、海外で予定していた式は中止に。この日は長男の雅空(がく)ちゃん(0)も参加した。菅野祐貴さん(30)と祥加(さちか)さん(27)は今年1月に結婚したが、式を挙げていなかった。

 まず2組が順番に高さ数メートルまで係留飛行した気球からブーケを投げた。その後、順番に結婚式に臨み、永遠の愛を誓った。続いて気球のバーナーから炎を吹き上がらせたり、ケーキを参列者に配ったりした。

 菅野夫妻は「空からの景色もきれいだったし、式場の雰囲気もよく思い出になる」と喜び、愛甲夫妻も「高いところは苦手だが、特別感のある式ができてよかった」と話していた。

 同クラブなどは今後、気球を使った挙式や写真撮影などの希望を受け付ける。利用するサービスの費用が必要。阿部代表TEL090・1593・2195

(小日向務)

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