――トッカイ記者クラブへようこそ。今日のお客さまは伊藤英明さんと若松節朗監督です。清武さんは主演が伊藤さんと聞いてどんな印象を持ちましたか。
清武 「とうとう来たか」と。「海猿」をはじめこれまで出演された作品をずっと見てきて、実にカッコいい俳優さんだなと思っていましたから、ものすごく嬉しかったです。この人が社会派のドラマを演じたらどうなるのかなと。
左より若松監督、清武氏、伊藤氏、司会の登坂淳一氏（写真提供：ＷＯＷＯＷ）若松 撮影が始まる前に、伊藤英明さん演じる柴崎朗という役を、我々なりにこういうふうに考えていますという「ラブレター」を（伊藤さんに宛てて）書いたんです。それは坂本龍馬（のイメージ）で、トッカイのチームには倒幕で活躍した志士たちがいる。そのリーダーとしてやっていくということですよね。
「主役」を背負う責任感
――役作りで大切にされたことは。
伊藤 このドラマの主役としての責任や義務、スタッフからの期待感など背負わなければいけないものがたくさんあったんですけど、監督からラブレターのようなものをいただいたなかに現場のライブ感というか、ひとつのモメントを大事にしてやっていけばいいという言葉があって、自分だけ輝かせようと思って役に向かっていくんじゃなくて、監督、キャスト、関わるスタッフと一緒に役をつくっていく。そしてこの物語を視聴者の皆さんに楽しんでいただくということを、監督から教えていただいたように思います。
住専とかバブルとか、言葉としては知っていても実際何が起こっていたのかということはあらためて勉強しなければならなかったんですけど、監督のおかげで、俳優として違った面で向き合えたと思います。
膨大なページ数（の台本）をワンカットで撮るという、他の現場では味わったことのない緊張感と、達成感がありました。
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