Wednesday, December 9, 2020

京都府 大学に感染対策徹底要請|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

京都府は新型コロナウイルスの感染者が急激に増えていることを受けて、9日、対策本部会議を開き、大学に対し感染防止に向けた対策を改めて定め、すべての学生に行動を徹底させるよう要請することを決めました。

京都府では、新型コロナウイルスの感染状況が、府の基準で最も高い「特別警戒基準」が続いています。
これを受けて、府は9日夕方、対策本部会議を開き、直近の2週間で見ると、▼大学生の感染者が62人と前の2週間より60%増えたほか、▼大阪府などほかの都道府県の患者と接触し感染するケースも増加傾向にあることなどが報告されました。
このため会議では、「医療体制の崩壊を防ぐための対策が必要だ」などとして、大学や府民に対し、緊急に対応を要請することを決めました。
具体的には、▼大学に対し感染防止策を改めて定めたうえで、すべての学生に行動を徹底させるよう要請するほか、▼学生に対しても課外活動や飲食の機会などに感染防止策をとるよう呼びかけることにしています。
また、府民に対しては、感染が拡大して飲食店の営業時間の短縮などを呼びかけている大阪府や東京都、それに、愛知県などへの不要不急の移動を極力控えるよう呼びかけることにしています。
また、今月12日からインターネット上で始まる「Go Toイート」の京都府内で使える食事券の80万セット分の予約については一時停止することを決めました。

【同志社大 対策強化も集団感染】。
同志社大学によりますと、ラグビー部では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ことし4月から6月にかけて寮の利用を停止し、7月から利用を再開していました。
再開後は人が密集するのを防ぐために、寮での食事や風呂の時間はふだんの練習の班ごとに分け、浴室や洗面所では人数制限を設けたり、食事の際には正面や両隣の席を空けたりしていたということです。
さらに、ことし8月中旬に奈良県の天理大学ラグビー部の寮と練習場で集団感染が発生したことを受けて、8月下旬からは部員の外出の自粛を強化し、寮生の場合、外出は原則として、寮のある京田辺市周辺と大学キャンパスとの往復に限っていたということです。
ラグビー部には、選手やコーチ、トレーナーなどあわせて174人の学生が所属し、このうち、選手64人が寮で共同生活を送っていたということで、寮生全員を検査するとともに、寮生以外の部員についても調整を進めているとしています。
同志社大学では、現在、ラグビー部を含む6つの運動系の部活で寮や合宿所を使っているということで、今回の集団感染の発生を受けて、部活ごとに集団生活での感染防止への対応を見直し、対策案をまとめて提出するよう求めたということです。

【京都知事“要請徹底なら効果”】。
京都府の新型コロナウイルス対策本部会議のあと、西脇知事は会見で現在の感染拡大が秋の観光客の増加によるものかはわからないとしたうえで、「無症状で感染を広げるケースがみられる。大阪との行き来や大学などをある程度抑え、全体のボリュームを減らしていく」と述べました。
大阪のように、飲食店に対して何らかの要請を検討しているかどうかについては「例えば営業時間の短縮をすれば感染拡大を防げるという地域はない。大学などポイントを押さえて、きょうの要請が徹底されれば効果があると考えている。なるべく社会経済活動に影響を与えずにやっていきたい」と述べ、引き続き、感染防止対策と経済活動の両立を目指すと強調しました。
そのうえで西脇知事は、重症患者が8人と先月24日から倍増しているとして、「重症患者向けの病床の使用率が5割を超えていくと、手術や救急の受け入れを止めざるをえない。強い危機感をもって医療崩壊を防ぐという対策を府民に要請したい」と述べ、府民に対して感染防止対策の徹底を訴えました。
また、年末年始の帰省や初詣について、「控えてほしいと言わないが、体調を把握したうえで、ぜひ分散して里帰りや参拝をしてほしい」と呼びかけました。

【医師会“重症病床少ない”】。
京都府によりますと、府内には新型コロナウイルスの重症患者を受け入れることができる病床数は86床あります。
ただ、9日開かれた府の新型コロナウイルスの対策本部会議で、京都府医師会の松井道宣 会長は、「直ちに対応できる病床数は、これより少ないと現場から報告を受けている。感染防止対策の実施を強くお願いしたい」と述べ、病床のひっ迫を防ぐためには、感染防止対策の徹底が必要だと訴えました。

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