新しい生活様式の中で「換気」は習慣化してきた
コロナ禍、換気の重要性は誰もが理解していることだろう。換気に対しての意識について、ダイキン工業が10月に実施した調査でも、「あなたの家では、換気ができていると思いますか」という質問に対して、「十分できている」31.2%、「どちらかというとできている」52.7%と、自宅で「換気できている」と考えている人は83.9%にのぼる。
4月に実施した同様の調査では、「十分できている」22.5%、「どちらかというとできている」52.0%と、74.5%の人が自宅で「換気できている」と回答。この半年で9.4ポイント増加しており、新しい生活様式の中で、換気が定着していることがわかる。
■調査概要
表題 :コロナ禍における「換気に対する意識調査」
調査期間 :2020年10月26日~28日
調査対象 :全国の20代~50代の男女529名
調査方法 :スマートフォンリサーチ
冬場に窓を開けての換気をしたくない理由は「寒さ」と「電気代」
寒い季節でも換気の意識は高い。「これからの冬場、あなたがお住まいの家では窓開け換気を行いたいと思いますか」という質問に対して、「そう思う」34.2%、「どちらかというとそう思う」40.8%と、「冬も換気をしたい」と思っている方が75.0%と、4人に3人が窓開け換気をしたいと回答している。
また、「冬に家で窓開け換気を行いたい」人の7割以上がその理由として「コロナ対策で換気が重要だと思うから」を挙げており、感染予防対策として換気に対する関心は依然として高いことが読み取れる。一方で、「冬に家で窓開け換気をしたくない」という方の約8割が「寒くなる」、約4割が「暖房の電気代が高くなる」ことをその理由に挙げており、冬場特有の課題が換気の妨げとなる可能性があるようだ。
冬場の換気方法のポイント
調査からもわかるように、換気が大切なことは理解していても、寒さや光熱費を考えると躊躇してしまう、という方もみられる。また、とりあえず窓を開けてはいるが、効果的に換気されているのか、冷たい風が入ってくるだけなのではないか、といって不安を感じる方もいるだろう。
ダイキン工業では、冬場の換気について以下のポイントを挙げる。
<起床時や帰宅時のポイント>
■事前に暖房を入れ部屋を暖かくしてから窓を開け換気を
冬場の朝や、外から帰ってきた場合は、まずエアコンの暖房を入れ部屋を暖かくする。その後、エアコンは運転したままで窓を開けて換気をする。冷えた壁、床、天井を暖めておくことで、窓開け換気をしても部屋の温度が下がりにくくなり、快適に過ごすことができる。
部屋の温度が上がる前に窓を開けてしまうと、室温とエアコンの設定温度の差が広がり、エアコンにかかる負荷が大きくなり電気代が上がってしまう原因にもなる。起床時間や帰宅時間が分かっている場合には、エアコンのタイマー機能を用いてあらかじめ暖房運転で部屋を暖めておくことも有効だ。
<換気時のポイント>
■寒さが気になる時は少し短めの窓開け換気を1時間に2回
一般的に夏場の窓開け換気の時間と回数の目安は、1時間に5分の換気を2回。冬場の換気の際に寒さが気になる場合は、夏場の5分より少し短めの換気を2回することを目安にしたい。
冬場は夏場と比較すると室内と室外の温度差が大きく、暖かい空気が冷たいところに逃げようとするため、窓を開けると空気が自然に流れやすい。また、冬は風も強いので、夏場より少し短い時間でも必要量の換気が可能だ。窓開けと同時にキッチンのレンジフードを運転することも、短時間での効率的な換気につながる。
■エアコンから離れた窓を開ける
開ける窓の位置にも注意が必要だ。多くのエアコンは窓の近くに設置されている。エアコンをつけたままで換気をする場合は、できるだけエアコンから離れた窓を開けること。エアコンの暖かい空気が近くにある窓から出てしまうと、効率的に暖めることができず、エアコンに負荷がかかり続け電気代が上がる原因となる。
<就寝前のポイント>
■換気することで結露の抑制にも有効
冬場の窓開け換気は結露の抑制にも有効だ。結露は、室温と外気の温度差が大きく室内の湿度が高いときに発生しやすくなる。窓だけでなく、押し入れの奥や壁や床など、居住空間よりも温度が低い場所や空気の対流がない場所にみられ、カビの原因にも。結露を抑制するためにも冬場の窓開け換気は欠かせない。特に家族が集まるリビングは湿度が高くなりがちなので、短時間でもたとえば就寝前などに、窓開け換気をすると建物全体の結露を抑制することにもつながる。
確認しておきたい換気の基本
冬場の換気のポイントを挙げたが、換気そのものの基本も確認しておきたい。
■すでにある24時間換気システムを正しく使用すること
居住する住まいが2003年7月より後の建物であれば、換気をする仕組み(換気口・24時間換気システム)が設置されている。住まいの換気に関しては、この仕組みを理解し正しく使用することが基本だ。
部屋の壁や天井には換気口が設置されており、浴室や洗面、トイレなどの換気扇を使用すると、換気口から汚れた空気が屋外に排出され(排気)、同時に新しい空気を取り込む(給気)ように設計されている。住宅ではこの換気システムが一般的で、2時間で室内の空気を一回入れ替えることができる。
しかし、外からの寒い(暑い)空気が入ってくるため、換気口を閉じてしまったり、24時間換気システムをオフにしてしまうと、室内の空気が汚れてしまう場合も。まずは今ある24時間換気システムを正しく使うことが大切だ。
■空気の通り道を作るために窓を開放する
窓を開けて換気をする際には、1ヶ所ではなく2ヶ所の窓を開けることで、空気の通り道が生まれ効率的な換気ができる。2つの窓は対角線上にあるとさらに効率的だ。
・窓を開けても風が入りにくい場合
窓から風が入りにくい場合は、窓の開け方に工夫したい。風や空気は、小さい隙間から勢いよく入り、大きい隙間から(小さな力で)出ていきやすいという性質がある。外から空気が入る側の窓は小さく開け、外に空気が出る側の窓を大きく開けると効率的な換気ができる。
・窓が1つしかない場合
窓が1つしかない間取りの場合は、部屋のドアを開け、扇風機などを窓の外に向けて設置、部屋の外に汚れた空気を流すようにすると効果的だ。
・窓がない部屋の場合
窓がない場合では、部屋のドアを開け、部屋の外に空気が流れるように扇風機などを置く。浴室や洗面室、トイレなどに設置されている換気扇を運転することで、他の部屋から流れてきた空気を効率的に屋外に出すことができる。
■キッチンの換気扇を活用する
住まいの換気扇の中でも、排気量が特に大きいのがキッチンの換気扇(レンジフード)。キッチンの換気扇を運転することで効果的に換気することが可能。ポイントは、キッチンからできるだけ離れた窓を開けること。窓を2ヶ所開けている場合でも、キッチンの換気扇を運転することで、換気をアシストすることが可能なので、窓開けと換気扇の併用はおすすめだ。
以上の換気の基本を理解した上で、冬場でも上手に窓開け換気を取り入れ、安心と快適さを実現させてほしい。
協力 ダイキン工業
2020年 12月21日 11時00分
からの記事と詳細 ( コロナ禍における「換気に対する意識調査」~上手な冬の換気方法とは? - LIFULL HOME'S(ライフルホームズ) )
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