加齢にともない、ヒゲや鼻毛、耳毛が以前より伸びるようになってきた。元々体毛は薄いほうで、20年前ならヒゲは「濃い目の産毛」程度。髭面に対して憧れすらあった。しかし30代も後半になったあたりからヒゲが太く(濃く)、すぐに伸びるようになってきた。これは個人的な体質のせいではなく、加齢による毛周期の長期化や男性ホルモンが相対的に増えることによるもの。人によっては頭頂部が薄くなるお年頃なのに、ヒゲ、鼻毛、耳毛などはどんどん濃く長くなるというのだから、なんとも微妙な変化である。
これまではユニットバスの中にある小さな鏡を見ながらヒゲを剃るなどしていたが、引っ越しにともなって洗面台の前の鏡が大きく綺麗になり、窓から明かりがたっぷりと注ぐようになったことで、顔面の変化に気づきやすくなった。そこで、鼻毛がピヨンと出ているのに気づいてしまったのだ。恐る恐るハサミの先で探りながら鼻毛をカットしたが、しばらくするとまた飛び出るようになった。飛び出すタイプの鼻毛と付き合う時代の幕開けだった。
時節柄、外出したり人と会う機会は減っているが、たまに外出するとヒゲを剃り忘れていたりと、エチケット関連はミスを犯しがちだ。百歩譲って無精髭は「これはおしゃれのつもり」と主張できなくもないが、鼻毛はまったく言い訳できない上、ストレートに間抜けな印象を与えてしまう。
また、筆者は耳毛が伸びていることも最近になって見つけてしてしまった。耳珠(じじゅ)と呼ばれる、耳穴の近くのプクっと膨らんだ部分を指先で触ると、鼻毛のような細く長い毛がピヨっと生えているのが見えるのだ。耳毛は本人から見えにくいので、気づきにくい。こちらも加齢により、今までは産毛のようだった毛が太く長くなることにより、耳毛として目立ってしまう形だ。
そんなわけで、これまでの人生に必要なかった製品であるところの鼻毛カッター、メーカーが言うところのエチケットカッターを購入した。パナソニックの「ER-GN70」で、Amazon.co.jpで4,121円(税込)だった。
「ER-GN70」はパナソニックのエチケットカッターの中では最上位モデルなので、セールスポイントも盛りだくさんだ。水洗いでき、IPX7の防水性能を備えるほか、毛くずの吸引機能、刃を外さずに洗浄できる「スマート洗浄」機能、天面と側面の2カ所に刃を備えた日本製の「デュアルエッジ刃」、従来製品よりトルクを高めたモーターなどが特徴だ。電源は単4形乾電池2本(充電池も使用可能)で、週1回90秒の使用で約半年間使用できる。刃は交換が可能で、前述の使用頻度で刃の寿命は約3年となっている。
本製品は鼻毛のほか、眉毛、ヒゲ、耳毛に使用することが可能。ただし毛の長さの調整機能はなく、長さが0.5mm以下の毛は切れない場合があるとしている。眉毛やヒゲは専用の商品があるので、そちらに任せるのが無難だろう。
使い方に特殊な点はなく、鼻毛のカットなら、スイッチを入れて鼻に入れるだけだ。まれに毛が引っ張られたピリっとした痛みはあるが、鼻毛を抜くほどの痛みではなく、許容できる範囲内と感じた。鼻毛をカットする際に気をつけたいのは、奥の毛を無理にカットしないこと。鼻毛は決してムダ毛ではなく、呼吸の際にホコリや微粒子を止めるフィルターの役割を果たしている。本製品は内刃の天面(先端)にも刃を設けている構造上、鼻に入れるだけで奥の毛もカットでき、翻ってカットしすぎないような使い方が可能。無理に鼻の奥に突っ込んで、奥の毛までカットしようとしないことが重要だ。
耳毛は見にくいので、カット作業もしづらい。先端をグリグリと耳珠周辺に何度か押し当てていると、いつのまにかカットできているといった塩梅だ。
洗浄時は、ハンドソープを外刃に付け、スイッチを入れて泡立てる。その後、銀色の「洗浄切替リング」を回転させ、入水口から水を入れてすすげば、水洗い洗浄が完了する。よごれがひどい場合は外刃や内刃、毛クズボックスといった先端部分のパーツを分解して洗浄できる。毛クズの吸引機能があるため、先端部分の構造はやや複雑だが、いずれも水洗いや掃除ができるため清潔に保てる。
鼻毛カッターは、なんとなく「自分には関係のない商品」と思っていただけに、加齢による体の変化で必要になったことはちょっと意外だった。歳をとってヒゲが濃くなってきたと感じている人は、鼻毛、耳毛も入念にチェックしてみてはいかがだろうか。
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November 23, 2020 at 07:20AM
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飛び出すタイプの鼻毛と付き合う。エチケットカッターが新習慣に - Impress Watch
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