Monday, September 28, 2020

戦国知れば見える現代 自然を従わせる「科学万能主義」への転換点 - 信濃毎日新聞

 戦国時代の研究を長年続ける県立歴史館(千曲市)館長の笹本正治さん(68)が新著「戦国時代は何を残したか」を信濃毎日新聞社から出版した。戦争と平和、神仏との向き合い方、自然環境の開発といったテーマを通じ、テレビドラマや時代小説では描かれない戦国時代の実像と現代につながる課題を示している。

 笹本さんは信州大名誉教授で、甲斐(かい)国(現山梨県)の戦国大名武田氏の研究などで知られる。新著では、戦乱の背景に異常気象による食料不足があったと指摘。ドラマなどでは英雄視される戦国大名だが、戦場での略奪や女性への暴力、人身売買などを容認していた―とし、侵略される民衆にとって戦争は「惨劇の源泉」と訴えた。

 大地や自然に神仏が存在すると考え、開発を控えてきた人々の意識が、戦国時代に築城や鉱山開発を進める中で変化し、神仏への畏怖が薄れていったとも説明。現代のように自然を人間に従わせる「科学万能主義」の時代への転換点と位置付けた。

 新著で、戦国時代の「光と影の双方をしっかり認識し、自分の歴史観を育むことが大事」と訴えた笹本さん。現代社会が温暖化に伴う食料不足やコロナ禍の拡大といった課題に直面する今、「武力と経済力が大きい方が勝ちという発想からの転換が迫られている。だからこそ、歴史の真実を追究しないといけない」と話している。

 四六判、304ページ。1870円(税込み)。問い合わせは信毎出版部(電話026・236・3377)へ。

(9月29日)

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