ベネチア映画祭(イタリア)で審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞した「悪は存在しない」(24年公開)の濱口竜介監督(44)が帰国し、12日に都内の日本外国特派員協会で、主演の大美賀均(おおみか・ひとし=34)とともに会見を開いた。
大美賀は劇中で、村に長く住んで何でも屋を営み、娘の花(西川玲)と自然のサイクルに従い、質素ながらも豊かに暮らす巧を演じた。濱口監督は「不確かな旅のように付き合って下さった方に感謝したい。最初はスタッフとして参加いただく予定が主演…見事に役目を果たしてくれた」と、思わぬ主演の大役を務め上げた大美賀に感謝した。
濱口監督は、9日(日本時間10日)の授賞式のスピーチの中で、最初の脚本を書く前に大美賀と撮影の北川喜雄氏を交えた3人で「一緒にドライブして、一緒にまき割りをした。この映画を、どのようなものにしようか考えていました」と明かした。大美賀も授賞式後の囲み取材で「すごく小さなチームで始まって。初めは本当に撮影の喜雄さんと3人でシナハン(シナリオハンティング)に回っていたんですけど」と語った。
大美賀自身、本業は俳優ではなく、ベルリン映画祭(ドイツ)で審査員大賞(銀熊賞)を受賞した濱口監督の21年「偶然と想像」で製作を担当。今年は自身の初監督中編「義父養父」が完成・公開を予定する映画製作者だ。大美賀は「最初は一緒にシナハン行く時、僕はドライバーとして参加した。流れの中で自分が出ることになって…出る側の経験はほとんどなかった」と、企画の立ち上げ当初はシナハン時の運転手だったと明かした。その上で「(演じることが)可能になったのはスタッフの皆さん、一緒にカメラの前にいたキャストの方、現地で協力して下さった方のが作った環境によって出来たことだと思います。この場を借りて感謝します」と感謝した。
◆濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)1978年(昭53)12月16日、神奈川県生まれ。08年の東京芸大大学院映像研究科修了制作「PASSION」が、サンセバスチャン映画祭(スペイン)に出品。15年「ハッピーアワー」が、ロカルノ映画祭(スイス)など複数の国際映画祭で主要賞を受賞。企画と共同脚本を務めた20年「スパイの妻」で、東京芸大時代の師・黒沢清監督がベネチア映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞。昨年のベルリン映画祭でコンペティション部門審査員。
2023-09-12 04:49:08Z
https://news.google.com/rss/articles/CBMiRGh0dHBzOi8vd3d3Lm5pa2thbnNwb3J0cy5jb20vZW50ZXJ0YWlubWVudC9uZXdzLzIwMjMwOTEyMDAwMDM1OC5odG1s0gFKaHR0cHM6Ly93d3cubmlra2Fuc3BvcnRzLmNvbS9tL2VudGVydGFpbm1lbnQvbmV3cy9hbXAvMjAyMzA5MTIwMDAwMzU4Lmh0bWw?oc=5
0 Comments:
Post a Comment