新型コロナの影響で、結婚式の件数は前年を大きく下回る状況が続いている。
撮影:今村拓馬
コロナの影響を受け、結婚式の開催数は前年を大きく下回る状況が続いている。
結婚情報誌「ゼクシィ」が全国の結婚式場953会場に行ったヒアリング調査の結果、2020年5月の結婚式は、前年比1割以下にまで激減。6月以降は回復傾向にあるものの、9月で前年比63.9%とまだ回復には至っていない。
ゼクシィでは「延期になった結婚式が、来年には増加する見込み。結婚式へのコロナの影響は限定的」と説明している。
5月の結婚式は前年比9割減
9月の結婚式施行率は約6割だった。
提供:ゼクシィ
ゼクシィによると、コロナ本格流行直前の2020年1月と2月の結婚式数は前年比95%を超えていたが、3月には47.4%に激減。5月の減少幅が最も大きく、結婚式の実施は前年比、わずか9.3%だった。
結婚式を予定していたカップルの多くが、延期を選択している。
4月に結婚式を予定していたカップルでは、75.4%が延期を選択。5月も延期したカップルの割合は80.2%だった。
キャンセル率は低く4月は13.1%、5月は10.5%だった。
リクルートブライダル総研所長の落合歩氏
撮影:横山耕太郎
延期する期間としては「12カ月」が最も多く22.0%。次に「6カ月」が11.1%だった。1年や半年を区切りに延期するケースが多く、平均すると延期期間は9カ月だった。
リクルートブライダル総研所長の落合歩氏は、今後についてこう予測する。
「4月、5月に式を予定していた人が、平均値の9カ月延期すると考えると、来年には挙式が増加すると見込んでいます」
挙式費用は増加傾向。「景気の影響受けにくい」
長期的にみると、結婚式の費用は増加傾向にある。
提供:ゼクシィ
一方、結婚式にかける費用は、横ばいの状態が続いている。
ゼクシィが2019年4月~2020年3月に挙式やウェディングパーティーを開いた読者らに郵送で実施したアンケート(5563人が回答)によると、結婚式にかける総額は362万3000円。昨年比で7万4000円増加した。「今回の増加は消費増税の影響とみている」(前出の落合氏)といい、実質的な増加とはいえなさそうだ。
招待客1人当たりの費用は平均6万9000円。招待客1人あたりの「料理+飲み物費用」の合計は1万9300円で、いずれも増加傾向にあるという。
「2005年からの調査を見ても挙式費用はゆるやかに増加しています。『せっかく式を挙げるなら、しっかりとおもてなししたい』と考える傾向があります」(落合氏)
新型コロナの影響で景況感の悪化が続くが、落合氏は「結婚式は一生に一度のハレ消費ということで、景況の影響を受けにくい」とする。
「コロナの影響で、一時的に招待する人数を減らすことも予想され、結婚式にかける総額は減る可能性があります。リーマンショック後にも落ち込んではおらず、コロナによって費用が大きく減ることはないと見ています」
今後さらに経済活動の停滞が続けば、挙式費用への影響が出る可能性もある。中長期的な影響を予測するのは、難しい状況が続いている。
「結婚式したい」は4割。コロナで変化なし
提供:ゼクシィ
コロナの影響で結婚式離れが進む可能性はないのか?
落合氏は「結婚式を挙げたいと思う割合は、コロナの影響を受けていない」と説明する。
結婚予定のある人を対象にしたアンケートでは、「コロナ流行前」と「コロナが落ち着いた後」で、結婚式を挙げたいかについて質問。
コロナの流行前でも、落ち着いた後でも、「結婚式を挙げたい人」は約4割、「挙げたくない人は」約25%で大きな変化はなかったという。
「コロナに関わらず、『結婚式をしたい』または『結婚式はしたくない』という気持ちに変化が少ないため、コロナによって、結婚式離れが進むとは考えていません。
もちろん長期的にみると、少子化の影響で婚姻数は減少しており、それに紐づいて結婚式が減っているのは確かです。ただ7割の人が、結婚式や披露宴など何らかのウェディングパーティーをしており、コロナの影響は限定的だと思います」
コロナの影響が直撃したブライダル業界。
コロナによる景況感の悪化が深刻化するなか、前年並みの結婚式需要をいつ回復できるか注目される。
(文・横山耕太郎)
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October 23, 2020 at 09:10AM
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結婚式、5月は前年比で9割以上減。ゼクシィ「挙式数は来年には回復する見込み」 - Business Insider Japan
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