東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第84回は聯合早報(シンガポール)の符祝慧・東京特派員が、未婚者の増加について考えた。
カップルの人気スポットとして知られる東京・お台場。ここで先日、「結婚式」が催された。26歳の独身の「新婦」が1人で教会の礼拝堂に入っていく。ウエディングプランナーとカメラマンは彼女のために、美しいウエディングドレス姿を一枚一枚、プロの技術で撮影していた。花嫁のための「結婚証明書」も用意された。
この「新婦」は私の取材にこう言った。「私は1人でいるのが好きで、結婚するつもりはありませんが、花嫁がウエディングドレスを着るのがとても羨ましい。結婚式を体験したかったのです」
このように1人で結婚式を挙げる「ソロウエディング」が日本で流行しており、顧客の半分以上が20代と30代の未婚女性という。ウエディングドレスを着たことがないシングルマザーもいれば、近々結婚する予定はないがドレスを着たいという人もいる。
現代の女性たちは、自分が最も美しいと思う時にウエディングドレス姿の写真を撮影できる。結婚せず自分の収入で生活できる女性が増えており、束縛されることを望まないのかもしれない。また生活上の負担から、結婚に否定的な見方をする人もいる。
日本社会は以前に比べて独身者を受け入れるようになり、一人でいることの自由を大切にする人が増えているように思う。私の知り合いの女性ダンサー(46)はこう言う。「踊ることは私の夢で、その理想のために努力してきました。今でも私は、独身生活は自由で楽しいと感じています」
内閣府の「少子化社会対策白書」(2022年版)によると、未婚者数は過去50年で著しく増加した。50歳時の未婚率は1970年、男性で全体の1・7%、女性は3・3%だった。だが20年にはそれぞれ28・3%、17・8%に増加している。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(15年版)」によると、未婚率は35年に男性が29・0%、女性は19・2%となる見通しだ。
このような日本の現状に、…
からの記事と詳細 ( 私が思う日本:「おひとりさま」結婚式も 未婚者が増える社会の先行きは - 毎日新聞 )
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