政府は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が宗教法人法に基づく質問権に対して適切に回答していないなどとして、行政罰の過料を科す方向で最終調整に入った。来週にも宗教法人審議会(文部科学相の諮問機関)に諮り、了承を求める方針だ。質問権を巡り、政府が裁判所に対して過料を科すよう求めるのは今回が初めて。
複数の政府関係者が明らかにした。文部科学省は裁判所への解散命令請求も念頭に、7回にわたって質問権を行使してきたが、調査は難航している。宗教法人法は、質問権の行使に対し、宗教法人が回答しなかったり、虚偽の回答をしたりした場合、法人の代表役員に10万円以下の過料を科すことができると定めている。政府内では、教団側に適切な回答を求めるためには踏み込んだ対応が必要だとの認識が高まり、過料を科す検討に着手した。
旧統一教会を巡る高額の寄付問題や霊感商法などの被害の指摘を踏まえ、文科省は昨年11月に質問権を初めて行使した。8月下旬には、7回目の質問書に対する回答が届いたばかりだ。同省は、これまで組織運営や収支、海外送金や献金などについて報告を求めてきたが、回を重ねるごとに回答の分量が少なくなり、一部の質問には回答自体を拒むこともあったという。
解散命令請求に向けた調査を巡っては、法人の法令違反を立証する「証拠」の積み上げに時間がかかっている。不法行為を裏付けるには、問題となる行為の組織性、悪質性、継続性の3点が認められる証拠の収集が必須とされる。
文科省は、担当職員を増やして回答文書などの分析を急いでいるほか、高額献金の被害に遭った元信者らへの聞き取りをさらに進める方針だ。
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