結婚情報誌「ゼクシィ」が静岡県内の結婚式場52カ所に行ったヒアリング調査で、新型コロナウイルス感染症拡大で2020年5~6月に1割に下がった結婚式の実施率が、12月に8割近くまで回復していたことが明らかになった。式場が感染症対策を講じたさまざまなウエディングプランを打ち出したことなどが復調の要因とみられる。【古川幸奈】
結婚式の実施率は緊急事態宣言が発令された4月に17・6%(前月比44ポイント減)に落ち込んだ。その後も5月は10・2%、6月は10・5%と低空飛行が続いた。一方、同時期のキャンセル率はいずれも1割未満で、8割前後が延期を選択。新型コロナの流行が落ち着き始めた7月以降は実施率が徐々に上昇し、12月に77・4%まで回復した。
リクルートブライダル総研は、結婚式の実施率が上がった背景について、業界が一丸となって感染症対策を強化したことや新型コロナの流行前と後でカップルの実施の意欲に変化がなかったことを挙げる。20年6月、業界はコロナ禍の安心安全な結婚式の実施に向けたガイドラインを策定。全国で1600カ所以上の式場が賛同し、それぞれが結婚式にオンライン中継を盛り込んだり、披露宴の時間を短縮したりするなどの対策に取り組んだ。
また、ゼクシィの調査によると、20年4月~21年9月に結婚、または結婚予定のある男女のうち披露宴について「実施したくない」と答えた人の割合は、新型コロナの流行前と後で約2ポイント増(28・1%)にとどまっていた。コロナ禍でも披露宴のニーズが高いことが浮き彫りになったという。
リクルートブライダル総研の担当者は「新型コロナは結婚式実施意欲に影響を与えていない。社会の状況が許せば(実施率はさらに)回復に向かうだろう」と推測した。
少人数、時短「スマート婚」
県内で4カ所の結婚式場を運営するアルファクラブ静岡(静岡市清水区)は、新型コロナウイルスの影響で、2020年4月以降に結婚式の延期が相次いだという。一方、記念日に合わせて結婚式の日程を決めたカップルからは予定通りの開催を望む声も寄せられていた。
新型コロナの第2波が訪れた夏以降、これまで平均60人超だった結婚式の参加者が半分に減少。延期後に小規模の式を希望するカップルもおり、運営する静岡市の式場「ベルヴィ ラヴァンセーヌ」の支配人は「友人や親族を呼ぶに呼びづらい状況があり、コロナ禍に合わせた新プランが必要と考えた」と明かす。
このため、アルファクラブは20年12月、少人数で時短の「スマート婚」プランを導入。通常の結婚式は1時間、披露宴は2時間半ほどだが、スマート婚は両方を合わせて2時間に収まる。参加者は20~30人に抑え、料理もボリュームを落とさずに8皿から4皿に減らした。料金は通常より70万円ほど値引きして、税込み60万2800円(参加者が20人の場合)に設定。21年8月末までに20組が式を挙げる予定という。
からの記事と詳細 ( 結婚式、8割が実施 一時1割に低迷 感染対策強化が奏功 静岡 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
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