ファーウェイ、SoCの備蓄が尽きてスマホ事業継続が困難になる可能性も! |
Reuters(以下、ロイター)は15日(現地時間)、アメリカ政府がQualcommに対して中国の通信機器メーカーであるHuawei Technologies(華為技術、以下「ファーウェイ」)およびその関連企業に携帯電話など向けの4Gに対応したチップセット(SoC)の販売を2020年11月13日に認可したと報じています。
ファーウェイは昨年5月にアメリカの商務省・産業安全保障局(BIS)によって輸出規制リスト(Entity List)に追加されており、アメリカが保有する技術やアメリカの企業の製品を購入できない状況となっており、特にSoCについては今年5月から制限が厳しくされています。
そうした中で今回、Qualcommがファーウェイに対して4G対応のSoCを販売できる許可を得たとされ、今後、ファーウェイがQualcommのSoCを購入すれば、スマホの開発・製造を継続できるようになります。なお、具体的なSoCは開示されず、5Gに対応したSoCについて認可するかどうかは不明だとしています。
アメリカでは中国に対する貿易摩擦の問題に加え、アメリカの国家安全保障および外交政策における利益に反する活動に従事していると結論付けるに足る情報を入手したためとしてファーウェイとその関連企業を輸出規制リストに追加したとしていました。
具体的には国際緊急経済権限法(IEEPA)の違反やイランへの禁止された金融サービスの提供によるIEEPAへの違反の疑い、それに関連した調査妨害、さらに法務省によるファーウェイへの訴訟の申し立てが含まれているということでした。
このファーウェイに対するアメリカによる制裁は当初、ファーウェイの製品を利用する通信事業者やユーザーに配慮してサポートなどを行えるように暫定措置の一時一般許可(TGL)を発行し、それを延長することで猶予期間がありましたが、これも今年5月で終了されていました。
これにより、ファーウェイとのアメリカが保有する技術やアメリカの企業の製品などの取引が実質的に禁止され、取引を行うにはアメリカ商務省に認可を得る必要があり、原則として許可は出ない状況となっています。ただし、実際にはMicrosoftがファーウェイのパソコン(PC)向けにOSのWindows 10を提供しているなど、取引を行うための許可が一部出ており、今回はその許可がQualcommにも4G対応SoCを含めて発行されたということです。
なお、ファーウェイに対する制裁の強化の一環として特にSoCを含む半導体についてアメリカ国外で製造するものについても制限が加えられ、ファーウェイが開発していたSoC「Kirin」シリーズについては製造を請け負っていたTSMCが受注を停止しています。そのため、受注を停止する前までにファーウェイが備蓄したSoCが来年初めにはなくなる可能性があるとし、その場合にはファーウェイのスマホ事業が破綻することも考えられます。
一方、QualcommはKirinが製造できなくなることで、ファーウェイがMediaTekやサムスン電子などのSoCを購入する可能性があり、そうなるとQualcommのシェアが下がることが考えられるため、アメリカ政府に対して批判をしており、今回のQualcommに対する認可はそれぞれの思惑が合致した対応であると見られます。
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・Qualcomm receives U.S. permission to sell 4G chips to Huawei in exception to ban | Reuters
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November 16, 2020 at 03:40AM
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アメリカがQualcommに対してファーウェイへ4G対応SoCなどの販売を許可とロイターが報じる!5G対応製品は含めず、弱体化狙う - S-MAX
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